第5話 山手線29駅
「ということで、駅にやってきました。」
都合よく駅に移動してくると、LAWS国家試験を受ける学生たちでいっぱいだった。駅は、渋谷駅。望の通う学校の名前は、渋谷スクランブル高校。設定はライト文学部使用である。
「うわあー!? すごい人!?」
望は、人混みが嫌なので、既に電車に乗って移動するのが嫌になっていた。
「先生、試験を辞退することってできますか?」
「それは無理。駅の外はゾンビがいっぱいいるので、死にたくなかったら電車に乗ってね。」
苺は、笑顔で生徒たちを電車に乗せようとする。
「そんな、アホな!? いったいLAWS国家試験って、なんだ?」
渋谷の人々は、ゾンビに変えられていた。渋谷のハチ公象やスクランブル交差点の付近は、ゾンビで溢れていた。
「ただのゲームよ。難しく考えないで。29駅あるから29時間以内に渋谷に戻ってきてね。」
「ええー!? いきなり時間制限!? ていうか、お泊りですか!? パンツの着替えを持ってきていないぞ!? 歯磨きはどうするんだ!?」
「アイテムは、駅の売店で買ってね! 着替えは、駅のトイレでするように! 眠たくなったら駅のホームで寝ろ!」
「マジか!?」
安全地帯の駅だけで、意外と異世界ファンタジーの要素が詰まっていた。データのダウンロードも駅のwifiでできる。駅にはATMもある。
「それでは、現在が午前9時前なので、9時になったら、駅の火時計に火が着くから、全ての火が消える前に帰ってきてね。」
「他人事かよ。それでも教師か?」
これでも国家試験と東京都の採用試験に採用された立派な教師である。
「あ、そうそう。初期装備の支給品は、木の棒と木の杖だけだから、好きな方を選んでね。ちなみに駅から出て、駅の外の百貨店や専門店で、高額だけど強い装備を買いに行ってもいいわよ。」
「協賛は、駅の百貨店か? 丸儲けだな。」
望は、とりあえず木の剣を手に入れた。
「目覚まし、ATMでお金を下ろして、最強装備を買いに行こうぜ。」
「無理です。」
「どうして?」
「望、新しいゲームを買ったばかりで、残高が0です。」
「なんですと!?」
望は、無一文スタートが決まった。
「仕方がないわね。私がお金を貸してあげよう。」
「ありがとうございます! 希様!」
望は、希とパーティーを組むことになった。
「目覚ましさん! あなたJRSなんですから、しっかりしないとダメじゃないですか!」
「すいません。すいません。ごめんなさい。」
いつもホープに怒られる目覚ましであった。
つづく。
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