夏の田舎は最高だ!

 「次は~感老(かんろう)村~…感老村で~す…」



プシューと電車の扉が開くとそこには美しい田舎の光景が目に飛び込んできた



 「おぉ!こ…ここが怜先輩の村か~っ」

「そうじゃ、いい場所じゃろ…?」

「めっちゃいい場所だよ…空気もおいしくてさ」

「確かに空気美味しいね?」

 「そうじゃそうじゃここで剣道の練習をするとはかどるんじゃ」

「けいとお兄ちゃん!見てあれ!」

「ん…?おぉ…」


 供子が指を刺していた先には村の駅から見えた大きく綺麗な池があった


「蛍斗…、これは見とれちゃうね…」

「だな…」


 「まあこんなところに居てもなんだ、わしの家に来るといい」

「だね?蛍斗君行こ?」

「だな・・・・・・あれ…?彩乃先生は?」

 「彩乃先生ならトイレに行ったよ?」

「あぁ~トイレね?」



 6人は怜先輩のおばあちゃん家まで向かった



 「わぁ!けいとお兄ちゃん!見て!ヤギだよ!」

「おぉ…、飼育しているのか?」

「そうじゃ、この村はなにかと動物が多いからの?まあちっちゃな動物園とでもいえるかの…?」

 「怜さん?そんなにいるの?」と彩乃先生

「う…うん?それより、彩乃先生がわしの名前を呼んだのは初めてかの?」

「そうですね?みんなは先輩かもしれないけど私からしたら生徒なのでさん付けで呼びさせてもらうね?」

 「そんなさんもいらんよ?」

「いや、さん付けがいいな?」

「じゃあそれで」


 「蛍斗君 見てあれ?」

「お…?また動物か…?」


 それは違った、動物か何かに荒らされいる畑であった


「畑が…」

「ひどーい…」

「近年、なにかと、この村の農作物が山から下りてくる動物に荒らされるのじゃよ?」

「えぇ…怜、動物って…?」

 「そうじゃな…?イノシシや野ウサギ、タヌキやイタチ…鹿、それにサルなんかもいる」

「えぇ…⁈ サルっ?この山にはサルなんているの?」

 「そりゃもうたくさんいる」

「けいとお兄ちゃん、サル捕まえたいね!」

 「サルを捕まえる?流石にそれはきつくないか…?」

「そうだよ供ちゃん?相手はサルだよ?」

「そうかぁ…」

 「いや、捕まえられるかもしれんぞ…?」

「え?ほんとっ!?」

「でも捕まえたとしてもどうするの?」

 「そうじゃな…駆除・・・するって…」

「それは可哀想だよ!」

 「そうじゃよな…」

「じゃあ追い返すってのはどう…?」

「まあそれなら」


 「でも夜は危険だし、そんな動物が多いところに行ってはいけませんよ?」


「綾小路先生…」

「初葉さん?どうしたの?」

 「私もそれに賛成です」


「ええ!初ちゃん!」


 「まあ確かに初葉と彩乃先生の意見も一理あるな」


「けいとお兄ちゃん!だったら!カカシを作るってのはどう?」

「それだったいいかもな!」

 「蛍斗!うちそれ賛成!夏の自由研究じゃん‼」

「自由研究?」


 「そう!農作物を荒らす動物にカカシは効果があるのか!って!」


「なるほど!それは一石二鳥だな!」


「じゃあそれで決定ね!」



 そんな会話をしているうちに怜先輩のおばあちゃん家まで来た



 「ついたぞ?ここがわしのおばあちゃん家じゃ」


「おぉ…The和風って感じだな…」


「じゃろ?」



外からは和風の家特有の畳が見えていて広い庭にはししおどしがコンッと鳴り響いていた



ここは心が落ち着くな…



 「おばあちゃーん、ただいまー」

「おぉ…おかえり、また大勢のお友達を連れてきてー?」

「紹介するよ」

 「まあ紹介は家のなかでじゃな…」

「そうする」

 「さぁ、みんなもお入り?ゆっくりくつろいでいいからね?」


6人は畳の部屋で足を崩した


 「ふぅ…じゃあこれからどうするか?」

「けいとお兄ちゃん!外で遊ぼうよ!」

「外で?」

 「うちは少し疲れたからここで休むわぁ~」

 「私も少し休むね…?」

「そうか、桃乃と初葉は休むのね?」

「私も休ませて…?暑くてもう…」

「わかった、じゃあ、俺らは外で遊ぼうか?」

「うん!何して遊ぶ?!」

 「そうだなぁ…」

「じゃったら、いい場所があるぞ?」

「いい場所?」

 「そうじゃ!まあわしについてこい!」

「おう!じゃあ供子いくか!」

「うん!!」


 蛍斗と供子は怜先輩の後を真夏の中ついていった


 「なあ、どこいくんだ…?」

「まあいいからついてきて?」

「お、おう…」



 三人の間には会話がなくただセミの声だけが三人を包んでいた


「ここが入り口じゃよ?」

「え?今から行くところの?」

 「そうじゃ」

「なんか、神社みたいな入り口だね!」

「ああ、そうだな、鳥居っていうのか?」

「まあ途中に神社があるからの?」

 「そうなのか、ん?途中って事は神社を通りすぎてまだ上に登って行くのか?」

「そうじゃ、でもまあ、森の中を進んでいくわけじゃ、日陰道じゃから涼しいはずじゃよ?」「確かに、じゃあ行ってみようか」

 「じゃな、じゃあついてきて」

「おう」


 三人は鳥居を潜り、日陰の森へと入っていった。

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俺の青春は500円の傘から始まりました。 炭酸ルウル @sasakuresannba

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