先生の気持ちが伝わるまで

「ねえ、」

「ん?どうした?初葉」

「あのさ」

「さっきの休み時間も、その前の休み時間も綾小路先生が蛍斗君の所来てたじゃん?」

「うん、来てたね」

「さすがに無いと思うけど昼休みも来たら。なんで蛍斗君ばっかをそんなに構うの聞いてみていい?」

「うん、いいよ」

「じゃあ!また昼休み!この教室に来るから!あとでね!」

「お、おう。後でな…」

確かに…少し気になるところではあるな…昨日のお礼で終われば一件落着だったのにな…


そして昼休み


「蛍斗ー!どーん!」


「おお、桃乃」

「あれ?今日はうちがナンバーワン?」

「そうだね」

「やった!」

「けいくん わしも来たぞ!」

「おお、怜先輩」

「今日は、珍しく初葉は来てないんだな…?」

「いや、来るともうよ」

「そうかそうか」

「ごめん!遅れた!!」

「ほらね?」

「ほんとだ…」

「ほんとじゃ…」

「え?なにが?」

「いや、なんでも」

「なんでもない」

「蛍斗君、蛍斗君…来てないね…」

「うん、来てないね」

「もうちょっと待ってみよ?」

「まあ、待つって言っても。ずっとここにいるし、ここのクラスの担任だから来るよ」

「あ、うん。」


みんなでご飯を食べながら話すこと10分後


 「澪月君~ごめん、職員会議で遅れた~。私も、ご飯一緒に食べていいー?」

「別にいいけど…みんなはどう?」

「いいよー!綾小路先生!トマトあげるよ!」

「わしも構わんぞ?おい!桃乃!トマトくらい自分で食べろ!」

「ええぇ。むりぃ…」

「綾小路先生…一ついいですか?」

「どうしたの?笹乃井さん」

「あの…こんなこと聞くのもあれなんですけど…」

「…ん?どうしたの?」

「…綾小路先生はなんで、こんなに蛍斗君を構っているのですか?」

 「……そ、それは…」

なんなんだろ…普通に気になる…。

「それは…?」

「ここでは、話せないから、放課後にみんなで屋上に来てくれる?」

「屋上ですか?」

「うん」

「綾小路先生、それは無理じゃ」

「え?どうして?」

「怜~?なんでよ~?」

「いや、今日の屋上は剣道部が練習として使うみたいじゃぞ?」

「なるほどっ」

「それは、無理だね…じゃあ、どうしようか…」

「あの、綾小路先生?駐車場なんてどうでしょうか?」

「おお!初ちゃん!それナイスアイデアだよ!」

「確かに駐車場だらった屋上なみの静けさはあるな…」

「うーん、でも、人に見られないところがいいんだよね…」

「人に見られないところ…?」

なんでだ…?なんで彩乃先生は人に見られちゃダメなんだ…?

「なんで、人に見られないところがいいんじゃ?やましいことでもあるものか?」

「…まあ…それは放課後にわかるよ」

「でも、校舎内で人に見られないところかぁ~。蛍斗―どっかない?」

「うーん、そうだなぁ、放課後だと、部活動とかで、みんないるし…どこだろうなぁ。」

「そうじゃ!綾小路先生の車の中なんてどうじゃ?」

「おぉ…それは結構いい考えかも、どうかな…?彩乃先生…」

 「まあ、それならいいかな、みんなも乗れるしね」

「じゃあそれで決まりだな」


そして放課後になり四人は彩乃先生の車まで向かった…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る