初恋は純度100%
ああぁーっ、つかれたー今日も学校終わったー。と、思いきや、終わってません今
職員室に行かなければならない。
今日の昼休みはいけなかったからな…、よしいくか
「蛍斗ー!かえろー!」
「蛍斗君!かーえろっ」
「ごめん…初葉、桃乃、俺今から職員室に行かないといけないんだよ。何時まで
かかるかわからないから先に帰っててくれないか?」
「そっかぁ~わかった。じゃあ初ちゃん帰ろ?」
「うん。じゃあ蛍斗君また明日ね!」
「おう、気を付けて帰れよー」
「蛍斗君、職員室に用事ってなんなんだろ…?」
「確かにちょぴっと気になるね」
「うん」
「初葉お姉ちゃん!桃乃お姉ちゃん!けいとおに…あれ?けいとお兄ちゃんは?」
「あれ?なんでともちゃんがこんなところに居るのー?」
「蛍斗君ね今日は用事があるから一緒に帰れないんだってさ」
「ええぇ。用事があるんだったら仕方ないよね…ともこけいとお兄ちゃんたちと一
緒に帰りたくてまってたんだよ…。」
「そうだったの?じゃあ今からうちとケーキ食べ行く?」
「うん!!いくいく!!」
「初ちゃんもいこーよー」
「うんっ!いこ!」
初葉、桃乃、供子の三人はケーキバイキングに行った。
一方そのころ蛍斗は――
「失礼します」
「お、蛍斗やっと来たか。昼休みバックレやがって聞いたぞ?保健室で帯刀怜と
いたんだってな?なにをしていたんだー?」
「い、いや。怜先輩の膝に絆創膏を貼ってあげただけです。」
「ほぉ?まあ、そんなことはどうでもいいんだよ」
「はい」
「これだよ、このプリントを渡すの忘れててな。」
「ん?なんですかこのプリント」
「いや、この前、お前学校休んだだろ?その時にみんなに配ったプリントなんだ
が。このプリントの内容なんだが」
「はい」
「あとちょっとで入る夏休みなんだがな」
「はい?」
「夏休みの期間が少し増えることになってな?それを伝えるためのプリントだ」
「そうなんですか!?」
「ああ、まあそれだけだ、うん、帰っていいぞ」
「はい!帰ります!さようなら!!」
っしゃぁ!!夏休みがながくなった!!嬉しいの極みだな!さあかーえろっ
「けいくん!!」
「…っえ⁉、なんで怜先輩がいるんですか…⁉」
「けいくんを待ってたんだ」
「え?ぼ、僕をですか?」
「そう、ちょっと頼み事と相談事があってな。」
「え、僕に頼み事ですか?」
「うん、そうなのんだ。だから少し付き合ってくれないか?」
「わかりました」
「じゃあついてきてくれ」
「はい」
蛍斗は怜に連れられて校舎の屋上へとやってきた
「じゃああそこのベンチ座ろうか」
「は、はい」
ベンチに座った蛍斗は早速、怜に問いかけた。
「あ、あのそれで、頼み事って何ですか?」
「うん、まず頼み事なんだけど。わしには敬語を使わないでくれるか?」
「っえ?だって…先輩ですし。」
「わしには使わんでよい」
「わかりました」
「敬語…」
「ご、ごめん。」
「それでよいっ!」
「で、相談事って?」
「うん、それなんじゃが…」
「うん」
「ある人の前に行ったりその人と話していると胸が熱くどくどくするんだ。」
「…っえ? それ他になんかありますか?」
「その人の事を出来る限り知ろうとしてしまうんじゃ。それでその人の事を知ろう
として今日、6時間目授業をサボってその人の事を観察していたんじゃ。」
「まじっすか。」
「一番感じるのは、」
「うん」
「その人を守りたいわしの持っている力全てで守りたいって事じゃ」
「なるほど。」
それって恋じゃないのか?最後のはよくわからないが。多分だが、怜先輩は男気が
強い人だ、だから守ってやりたいと言う感情がでても仕方がないと俺は思うが…。
「これって何だと思う?何かの病気なのか?わしは…」
「うーん、その症状が出始めたのってなにがあったときですか?」
「そうだな。女扱いされたときか?うん、多分そうだ、女扱いをされた時だ」
そういえば、桃乃が言ってたな。あまりにも強すぎるから女扱いされないって…
言ってたな。だから女扱いされた時に恋に落ちたのか…
「なるほどな…。怜先輩」
「は、はい」
「それは『恋』ですね」
「「「こ、こ、こ、恋!?」」」
「うん、多分そうだと思う。」
「で、でも。わしは恋なんかしたことないのじゃぞ?」
「じゃあ、その人がいないと不安を感じたり居心地悪かったりする?」
「する」
「じゃあ今からちょっとした心理テストをするね?」
「う、うん」
「怜先輩が将来 結婚したとしました。あなたの隣に居るのは誰?」
「うーん、」
「どう?その人じゃない?」
「その人じゃ…」
「でしょ!じゃあ100%恋だよ!」
「でも、こ、恋って言われても何したらいいのか…。」
「今、怜先輩がしたいことはなに?」
「ジュースが飲みたい。」
「いや!そうじゃなくてだな…。」
「え?」
「その人のそばに居たい気持ちがあるでしょ?」
「それは!もちろん…ある」
「じゃあ、その人に思いをぶつけようよ!!!」
「で、でもじゃな…。」
「でも?」
「もし思いを伝えて。その人が嫌がったり、引かれたりされたら。
生きていけん!」
「そういうのは当たって砕けろだよ!!」
「あったて砕けろ?」
「そう!!もしも砕けたなら、その時は俺が心を落ち着かせてあげる!」
「…っえ、でも((わしはけいくんが好き?なのじゃぞ。心を宥めるって…))」
「さあ!思いを伝えに行こう!!」
「うん、わしは覚悟を決めた。伝える!」
「頑張れ!!」
――怜はベンチを立って蛍斗の前に立った――
「「「けいくん!!!」」」
「…っえ!?」
「「「わし!!けいくんの事が好きです!!」」」
「え、あ、ありがとう」
って…えええぇぇええぇぇ!!!初恋の相手って俺だったの!?ど、どうしよう!
「「「うん!!!じゃあこれからはわしがけいくんを守る!!」」」
「うん・・・・・・・・・ん?・・・・・・え?」
「じゃから!!これからは行き帰りと休み時間+休日!でも休日はわしが空いて
いたらの場合じゃけじゃ!!」
??どういうこと?怜先輩が俺のそばでずっと俺を警護?護衛?守ってくれると?
いやいやいや、初葉や桃乃それに供子だっているし…。
「異論は認めないぞ?」
まあ仕方ないよな。三人にはあとで説明しとくか…。
「わ、わかったよ、じゃあ頼む」
「よし!じゃあ帰ろう!!!」
そして、怜に護衛されながら蛍斗は学校をでた。
「もうこんな時間かぁ」
「すまんなぁ、わしのせいで…。こんな時間にさせてしまって。」
「いや、大丈夫大丈夫!嬉しかったからこれでお相子でしょ?」
「そ、そうなのかな…?」
「うん、そうだよ、多分」
「…っえ!!あれけいとお兄ちゃんじゃない!!」
「え?蛍斗君…?どこ?」
「あ、あれだ!!蛍斗…?ん?誰かと歩いてない?」
「ほ、ほんとだ?え?あれ、帯刀先輩先輩じゃない?」
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