泥沼展開はお好きでしょか?

「蛍斗君…?」

「…っえ?初葉桃乃?それに供子?なんで三人がここに?」

「いや、それはねー?まあ遊んでたんだよ。いやうちたちより…なんで蛍斗が帯刀

 先輩と一緒に居るののよ」

 「まあ、いろいろとあってな…。」

「いろいろって何よー?」

「けいとお兄ちゃん!この人だぁれえ?」


「自己紹介が遅れたな。わしは帯刀 怜じゃ。」

「じゃあ怜お姉ちゃんだ!!」

「おお、その呼び方はなかなかいいな」

「でしょでしょ!」

 「あの…帯刀先輩?なんで帯刀先輩が蛍斗君と二人でいるのですか?」

 「うん…二人は今日の朝まで面識がなかったはずじゃあ…」

「ああ、今日の昼休みに初めて出会ったのだよ。」

「え…?そうなの蛍斗?」

「お、おう。今日の昼休みちょっといろいろあってな」

「そうなのじゃ。けいくんに看病してもらってな…」


 「けいくん…!?」

 「看病…!?」


「蛍斗君…?これはいったいどういう事?」

「そーだよ、説明しなさいよ」

 「説明っていったってな…。昼休みに起こったこと全部話せばいいのか…?」

「うん。話して?」


蛍斗は昼休みに何が起こったのか。怜とはどうやって知り合ったのかを細かく説明

した。が怜に告白されたことは話さなかった。


 「なるほどね…じゃあ、蛍斗は帯刀先輩とどんな関係なの?友達?」

「うーん、そうだな」


 「「「蛍斗はわしの旦那じゃ」」」


 「「「・・・・・・え?」」」


「…え?どーいうこと?怜先輩が…?俺の…⁉えっ!?」

 「蛍斗君…?これはどういうこと?」

「い、いや。わからない。まじで」

「わからないわけないでしょ…だって帯刀先輩がこう言ってるんだよ?」

「うーんって言われてもなぁ。」

 「帯刀先輩。これはどういうことですか?」

「けいとお兄ちゃん!これは浮気ですよ!!」

 「今、言った通りだ。わしの旦那じゃ。あとけいくんは浮気などしない」

「ううん!する!だってともこの許嫁はけいとお兄ちゃんなんだよ!!」

 「なん…だと…⁉。そうなのかけいくん?」

「いや、ちょっとこっちに来て?(いや、勝手に言ってるだけって言うかほら子供

 は大人になったら○○と結婚するってよく言うだろ?それそれ)」

「なるほどな。じゃあわしの方が上だな」

「てか…さっきから蛍斗は帯刀先輩の旦那って言ってるど…なんでそうなったの」

 「わしがさっき屋上で告白したのだよ。」

「っえ?告…白…⁉」

 なんだろ。なんか、死ぬほど嫌な展開になりそうな気が…帰りたい。

「…っ⁉。えっ?それでその告白に蛍斗君はなんて言ったのですか?」

 「うーん。ありがとう?かな?」

「っえ?返事してないの?」

「返事っていうか。ありがとう以外答えようがなかったし…」

「え?帯刀先輩は蛍斗になんて告白したの?付き合ってくださいって言った?」

 「言ってないけど。なにか問題か?好きとは言ったが…」

「それは!告白になってないんじゃないかな…?」

 「え?そうなのか?」

「はい、ただ単純に蛍斗に好きって言っただけじゃ…」

「まあ、好きって言ったのは変わりないんだし。しかもけいくんはありがとうって

 言ってくれた!これは告白成功も同然!けいくんはわしの旦那じゃ」

 「そ、そんな事言ったら!うちだって…」

「桃乃?どうした?」


 「「「うちだって!!蛍斗が好き!!!!!!だよ…」」」


「…っえ⁉。桃乃…?それまじ?」


 「「「まじのまじの大マジ!!!ずっと前から好きだった!!!!」


「ありがとう。えっと…嬉しいよ」


「ほんとに!?」

「うん、ほら桃乃は学年の男子からモテてるでしょ?でも付き合ったことは一回も

 ないんでしょ?そんな桃乃が俺のことを好きになってくれるなんて嬉しいよ」

「じゃあ!!これで蛍斗はうちの夫だね!!」


 「「「・・・・・・・・え?・・・・・・・・」」」


「どういうこと?なん…で…?蛍斗君が桃乃ちゃんの夫になるわけ?」

「だって帯刀先輩と同じこと言ってるだけだよ?」

「なに。それじゃあけいくんのお嫁さんはわし合わせて三人じゃないか!」

 「いやいや、俺の意見は…」

「(そんな事言ったら私が蛍斗君の事を一番最初に好きになったんだよ…)」

「じゃあ蛍斗に選んでもらお?」

「賛成じゃ」

「それともこものった」

 「えええ。いや。選べない。みんな同じくらいに可愛いし優しいし。だから選べ

  ない。俺はみんなの事が好き。それだけわかってくれればいい。」

「じゃあけいくんはわしたちを全員お嫁さんにするんじゃな?」

 「・・・・・・え?」

「まあお嫁さんにしてくれるならうちはそれでもいいけど」

 「ふぁっ・・・・・・?」

「ともこはけいとお兄ちゃんと居られるならそれでいー!!」

 「いや、三人をお嫁さんにする何て法律上不可能じゃあ…」

「そんなもんは一緒に同じ家で暮らしちゃえば何とかなる!」

「そういうもんなのかねぇ…」

「そういうもんよ!」

「ねえ。みんな?そろそろ帰った方がいいんじゃな?日も暮れて来たし。ね?蛍斗

 君?」

「お、おう。そうだな。今日はこの辺で解散だな。じゃあ、そういうことで」

「そうだね、じゃあまた明日ねー」


そうしてみんなは帰ってったが蛍斗と初葉だけはその場に残っていた


「初葉…ありがとな?」

「え?何が?」

「俺に気を使ってくれて、みんな帰らせてくれたんだろ?」

「え、あ、うん。」

「助かったよ、じゃあ俺たちも帰ろうか。」

「よかった。うん帰ろ…」


帰り道いつもは騒がしい二人だが。今日は一言も話さなかったのだが…


 「ねえ。」

「ん?どうしたんだ?」

「あのさ。」

「うん。」


初葉が口を開いたのは。人気が少ない道の街灯の下だった。


暗い道を照らす街灯だが今日は蛍斗と初葉だけを照らしているかのようだった。


「私ね…」

「うん。」

「初めて蛍斗君と会った時から。」

「うん」


 「蛍斗君が好きです」


 「俺も、初葉の事好きだよ」


「じゃあ、私たち付き合お?」


「ごめん、初葉の事 好きだけどそれはできない。」


「なんで…?」


「理由はね、


 今が一番楽しいから、初葉が居て桃乃が居て供子が居て怜先輩がいる。この環境

 が俺たちのせいで壊したくないって思ったんだ。」


「やっぱ蛍斗君は優しいね。わかった、じゃあこの気持ちはおさえておくね」

「ありがとう。じゃあ暗くなってきたし帰ろうか?」

「うん、帰ろう」


二人は好きという気持ちを抑えることを決め。暗い道を二人隣同士で帰っていった

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