俺が本気を見せた瞬間…

昨日はあれから…特に何もなく帰ったが…俺の財布の中身がまじで何もなくなった


 今日も色々いろいろと疲れそうだな…でも、頑張るかー


 「蛍斗ーご飯食べちゃいなさーい」

 「はーい、いまいくー」


 「ごちそうさん」


 よし、ご飯も食べ終わって…あとは待つだけか…そうだ…外で待っとこうかな。

「いってきまーす」

 「はーいいってらっしゃい」



 「おっはー」

「おう、おはよう…って⁉、桃乃!?」

「一緒に学校いーこ?」

「えっ⁉なんで俺の家知ってる…?」

「いや~この前初葉ちゃんに教えてもらったんだよ~」

「あ、そうなのか…」

「そんなことより、はやく学校いこーよ―」

 「いや、初葉も来るから、待たないと」

「そうなの?いつも二人で登校してるの?」

「うん、そうだよ」

 「ええー!!ずるい!今日からはうちも一緒に登校するからね!」

「べ、別にかまわないけど…」

 「蛍斗君~ごめん遅れた…って…桃乃ちゃん?」

「おはよー初ちゃん!」

「え…なんで…?」

 「いやー今日からうちも学校一緒に行くことになったんよ!!」

「そ、そうなの!?」

「うん!!」

「え、そうなの?蛍斗君」

「お、おう、らしいぞ」

「わかった…((唯一ゆいいつの二人の時間だったのに…))」

 「じゃあいこー!!」

 「おう」

 「うん」


 こうして俺は二人に挟まれながら登校した…


 やっぱりか…みんな見てくるな…ざわざわするのも当たり前…か…さすがに絡ん

 でくる奴はいな…


「おい!!!!澪月蛍斗!!!」


 えええええええええ!!絡んでくる奴…いたああああ!!やべぇどうしよう……

 ここはクールに怖モテを意識しながら…


 「…なんだ?」

「み、澪月蛍斗…こ、これは!い、いったいどういうことだ!!せ、説明願おう」

「…あ?これって?」

「こ、これとは…つ、つまり…なぜ…き、貴様きさまが…「もものん」と居るんだ…」

 「もものん…?なんだそりゃ?」

「もものんとは…流川桃乃ちゃんの名前なのだっ!!」

「へーそうなのか?桃乃」

 「う~んよくわかんないけど、なんかうちのファンクラブがそう呼んでるだけ」

「え?桃乃にファンクラブがあるの?」

「らしいよ、うちは公認こうにんしてないんだけどね、非公認のファンクラブって訳」

「へぇーえ」


 「お、おい!!貴様っ!!もものんと話すな!!もものんから離れろっ!!」


 そういうと、突然、蛍斗に殴りかかってきた…


 「…っぶねーな!!」

「蛍斗っ!大丈夫!?」

「蛍斗君!ケガしてない?」

「ああ…大丈夫だ、けたから…」

 「あんた!!!蛍斗に謝りなさいっ!!!」

「なっ!なんで…ぼ、僕は君のためを思って!!」

 「蛍斗がケガしたらどうしてくれるのよ!!」


「…澪月蛍斗……なんで貴様だけ…そんな可愛い子二人に囲まれて…もものんにも

 大切にされて…。許さない…。」


 こいつ…まじか、これは俺が本気で怒ってやんねーとダメみたいだな…。


「ほ~らこっちおいで?そんな奴と一緒に居たら…もものんが汚れちゃう!そ、そ

 うだ!ほら!君もおいで?こっちはいっぱい居るから楽しいよ~?」


「嫌っ!うちは蛍斗と一緒にいたい!!あんたはもう関わらないでっ!」

「私も遠慮えんりょしときます。蛍斗君と居たほうが楽しいので」

 「だってさ…うせろ…」


「くっ…。い、いいから!こっちは色々あるよ…?学校の空き部屋を使ってるから

 広いしっ!く、くつろげるよ…?だ、だから…こっちに来てっ!!」


――この男は錯乱状態さくらんじょうたいおちいり桃乃と初葉の腕を強引ごういんつかんだ――


 「っ…⁉痛いっ!はなしてっ!!助けてっ!!」

 「うぅ、痛い…蛍斗君……」


―――その時…蛍斗の中で何かが切れた…―――


 蛍斗はその男の方にゆっくりと近づき、てのひらで顔面を潰す勢いで掴みこう言った。



 「「「おい…」」」


 「「「その…臭い手を離せ…」」」


 「「「殺すぞ…」」」



 「ひぃ…っ…。」


 「「「次…桃乃と初葉に指一本、いや、髪一本でも触れてみろ……」」」


 「す、す、すびばぜんでしたぁ…、勘弁してください…」

 「去れ…」

 「は、はい…っ~」


「蛍斗っ‼ありがとっ!」

「蛍斗君っ!ありがと!」

 「大丈夫か?見せてみろ…あとがついてるな…保健室行くか?俺もついてくぞ?」

「これくらい平気だよ、時間で消えると思うから」

「そうか…初葉も行かなくて大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ」

「ならいいなだけどな…次、あいつが来たら、俺に言えよ…?」

「うん、ありがとう…あのさ…」

「ん?どうしたんだ?」

 「なんであの時うちらを助けてくれたの…?」

「いや、当たり前だろ…女の子を助けないなんて…俺はそこまでにごってねーよ?」

「…っえ((やばい顔が暑すぎる…心臓の音もやばいしっ…))」


 「それにさ…ほら…桃乃が助けてって言っただろ?だから…かも…な?」


「やっぱ…蛍斗君はかっこいいや!ありがとね!蛍斗君っ!!」

「おう」

「あ、あり…が……とう。((ど、どうしよう…蛍斗の顔…みられない…))」

 「どういたしまして。そんなことより急ごうぜ…授業、始まっちまうぞ」

 「うんっ!!」

 「そ、そうだね…急ごー…」


 ―――桃乃と初葉はまた一段と蛍斗の事が好きになった。特に桃乃が。―――

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