幸せな時間は人それぞれ

蛍斗には初葉と桃乃と言う友達ができたが蛍斗はあることを心配していたそれは―


 「お前らさ、」

「ん?」

「なに?」

 「いや、休み時間になるとすぐ俺のところにくるじゃん?俺以外の友達とも遊ん

  でいいんだよ。」

「ううん私は二人以外の友達いないしそ、それに…蛍斗君のところに行ったら桃乃

ちゃんもいるし楽しいんだよ?」

「うちは…その、ほ、ほら!うちって、男子の友達、い、いないでしょ?だから、男

子とも仲良くなってコミ力高めないと!うん!」

 「いや、初葉はわかったけど、桃乃は友達たくさんいるし、それに男子にモテモ

  テなんだから、男友達くらい秒でできるだろ」

「いや~どうだろ…まあうちが蛍斗と一緒にいたいんだからいいでしょ??」

「お、おう、俺は大歓迎だいかんげいだけどな、二人といると楽しいし」


―――俺には二人が少し照れているように見えた―――


 「そういえばさ~あと少しで梅雨つゆの季節だよ~やだよ~」

「確かにそうだな、あと一週間後くらいか?」

「私は梅雨けの方がやだよ…」

「確かに~!初ちゃんの言ってることまじでわかるわ~梅雨明けとか暑いし《か》蚊も増

えるし…最悪なことだらけだね…」

「梅雨明ける前に虫よけスプレーと日焼け止めクリーム買っといたほうがいいんじ

ゃねーか?」

「うんっ買っとかないと…‼」

 「いや~そうか~あとちょいで夏休みか~!」

「まあ、あとちょいって言っても…約二ヵ月先だけどな。」

「ね~!蛍斗、テンション下がること言わないで…、んじゃう…」

「そんなことで病むなっ‼」

 「夏休みは三人でどこか行きたいねっ」

「そーだなー初葉はどこか行きたいところないの?」

「やっぱ夏と言ったら…花火?かな?」

「いや!花火もそうだけど!初ちゃん!温泉だよっ!!」

「温泉行きた~い!私、友達と温泉行ったことないんだ~!」

「そうか!んなら!いこいこっ!!ほら蛍斗も連れてさー!」

 「っは⁉…俺も…!?」

「当たり前でしょ?三人で行くんだから!」

「いやー男、一人と女、二人って言うのはー…ね?」


 まじですか…俺、親とでしか温泉なんて行ったことないのに友達と行く初めても

 温泉が女の子二人なんて…、俺の精神、たもつか…?


「蛍斗君…嫌なの……?」

 「別に、嫌ではないんだよ?」

「よしっ!じゃあ、夏休みはみんなで温泉旅行っ決定~!!」

「((やった~蛍斗君と温泉旅行だっ))」

「…ん?今なんか言った?」

「いや!なんでもない!えへへ」

「やったね!初ちゃんっ!!」

「うん!」

 「じゃああとはどこ行く?さっき初ちゃんがいってた花火も行く?」

「うん!いこ!あとは~…蛍斗君も考えて!ほら!!」

「えっ!まだ行くの?」

「蛍斗…何言ってんの…?夏休みは全部遊ぶんだよ…?」

 「勉強は…?」

「遊びながらやるに決まってんじゃん!!ねー初ちゃんっ!」

「う、うんっ」


 さようなら…俺の夏休み…


「蛍斗君なんかない?」

「まて、夏休みまであと約二ヵ月もあるんだぞ…今、考えなくてもいいんじゃない

 か?」

「に、二ヵ月…。病んだ」

「っだから!病むなって!」

「まあ、それもそうだね、蛍斗君の意見は一理ある!また今度考えよ?」

「そうだね!ってか!次の授業まであと一分じゃん!またね!蛍斗と初ちゃん!」

「ほんとだっ!あと一分しかない!ま、またね蛍斗君!」

 「おう、またな」


 そうか…今年の夏休みはなにかと忙しそうだな…俺の夏休みは毎年、ニートして

 終わるからな…なんか少し楽しみだっ、はやく来ないかな…夏休み!!



「と、いうことで、今日の授業はここまでだ。しっかりと予習復習をするように」


 ふぅーやっと終わった、授業って長くてだるいよなー…さて、帰るか……


 「あの…澪月さん?」

「……!?」

 っえ⁉なに!?なんでクラスの女子が俺に話しかけてくるの!?なんで!?


 「澪月さん?帰らないでください。」

「…………っ!?」

 こ、このシチュエーション…ラノベでよくあるあれか!?…放課後のクラス……

 これは…伝説の、愛の告白っ!!!!!ってやつか?


「あの…」

 くっ、くる!!落ち着け!落ち着くんだ俺っ!!冷静に…


「澪月さん…」

 ク、クールに答えるんだ!!


  「あなた、今日、掃除当番の日ですよ…」


              「………………え」




 「蛍斗っ!かーえろっ!ん…?蛍斗…?」

「蛍斗君~ごめんちょっと遅れ…た……え?」


 「「「なんで泣きながら掃除してるの」」」


「・・・ほっといてくれ・・・」


 「「「あ、うん」」」


 泣きながら掃除している蛍斗とそれを手伝ってくれた二人で早く掃除は終わった


 「ありがと、二人のおかげで結構早く掃除が終わったよ」

「気にしないで!暇だったから手伝っただけだから!」

「私ははやく蛍斗君と帰りたかったから…」

 「ありがと、お礼にカフェで何かおごるよ」

「ほんと!!やったー!早く行こっー!!」

「蛍斗君…私もいいの……?」

「当たり前だろ?手伝ってくれたんだから」

「やった!」

「蛍斗の財布の中身がなくなるまで食べまくってやるっ!!」

「そ、それは勘弁だな…」

「ほらはやくいこー」

「おう」


 ――――俺は二人に手を引かれてカフェへとやってきた――――


 「いらっしゃいませー」


 カフェなんて来たのいつぶりだろ…


 「注文がお決まりになりましたらこのボタンを押してください。失礼します。」


「蛍斗君、なに頼むの?」

「そーだなーとりあえず黒豆茶かな?」

「渋っ!蛍斗おじいちゃんかよ!」

「誰がおじいちゃんだ!!じゃあ桃乃はなににするんだよ」

 「うんとねーチョコレートケーキとミルクティーかな!!」

「なるほど…ケーキな…」

 げっ!お高い…こりゃあ財布の中身がなくなるのも時間の問題かな…。

「初葉はどうするんだ?」

 「えっと…紅茶とミルクレープで」

「ほうほう…」

 お!一番安い!初葉は気を使ってくれたのかな…?偉い子だ…

「じゃあ呼ぶよ?いい?」

「おう、初葉もいいか?」

「うん、いいよ」


「えっと、黒豆茶一つと紅茶一つとミルクティー一つとチョコレートケーキとミル

クレープを一つずつ」


 「はい、ご注文をり返させていただきます。黒豆茶をお一つ、紅茶をお一つ、

  ミルクティーをお一つ、チョコレートケーキをお一つ、最後にミルクレープを

  お一つ。ご注文は以上でよろしいでしょうか?」


「みんないいよね?」

「おう」

「うん」

 「じゃあ以上で」


 「はい、少々お待ちください。」


「はーい」


「注文が来るまで暇だな…」

「そうだね…」

「じゃあさ!なんかゲームしようよ!!」

「ゲーム??なんの?」

「うーん!しりとり!」

「定番だな…よしやるか」

「じゃあ順番は初ちゃんから反時計回りで!!しりとりのりからスタート!!」

 

初「りす」

蛍「スイカ割り」

桃「リリース」

初「推理すいり

蛍「リンス」

…「……etc」


――俺たちは注文が来るまでしりとりを続けてそして注文が来た――


 「お待たせいたしました。」


「おおーいただきまーす!」

「初ちゃんちょっと待ったー!」

「…っえ?」

 「写メ撮らして??」

「いいよ?」

え映え~」

「おい、俺のは撮んなくていいのか?」

「とらねーわ!可愛いものだけを撮ってるのー!」

「そ、そうか…俺の黒豆も可愛いぞ~」

「どこがだよっ!初ちゃんありがとー」

「うん!いただきまーす‼」

「うちもたーべよ!いただきまーすっ」


―――俺はケーキを幸せそうに食べる二人を見て幸せを感じていた―――

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