絆のクレーンゲーム

 放課後になると初葉と桃乃が二組に来た


「蛍斗君、かえろー」

「おう帰るか」

「帰りどこよってく~?」

「そーだな、二人はどこか行きたいところあるか?」

 「ゲーセン行きたい!!!」

「乗ったっ初葉もゲーセンでいい?」

「うん!蛍斗君が行くなら私も行く」

「じゃあ行くか」

「うん」

「レッツゴー!!」


 まあこんな会話をしているが周りでは男子達がめっちゃ俺をにらんできてるような

 それも当然の事…可愛い子二人に囲まれてしかも一人は学年のマドンナってなる

 ともうそれは男どもはみんな怒るよな…俺に因縁はつけないでくれよぉ…。


「てか、俺、ゲーセン行くの…小学生ぶりなんだが…」

「わ、私はゲームセンターに行ったことがない…」

 「えええええ…まじかよ。まあ!うちに任せて!!」

「わかった!桃乃ちゃんについてくね!」

「俺も頼ってくれよ…まあ小学生ぶりだから頼れなくても当たり前か…」

 「ほら!!行こ!」

「うん!!」

「そうあわてるなって」



 ゲーセンに着き、自動ドアが開くとうるさい音とともに別世界へ連れていかれそ

 うな光で蛍斗たちのテンションは上りに上がった。


 「ねえ!次はこれやろうよ!!」

 「ほー?レースゲームか…俺に勝てると思うなよ…」

 「蛍斗君‼がんばって!」


 「次はこれ!」


 「これもやろー??」


 「蛍斗君、これ勝負しよ?」


 「うち、このゲーム得意なんだ!!初ちゃん勝負だ!!」


 「この、ホラーゲームなんて楽しそうだな…やるかっ」


―こうして俺たちはゲームを心行くまで楽しんでいよいよ最後のゲームになった―


「次が最後だな…最後はやっぱりあれしかないだろ…」

「え…?あれ?あれ、やっちゃう?チーム力が試されるぞ…」

「なに…あれってなに!蛍斗君!桃乃ちゃん!あれって~⁉」


 「「「クレーンゲームだよ!」」」


「二人とも息ぴったりだね」

「そりゃあそうだよ!うちたちは意思疎通してるからねっ!!」

「別にしてねーわ!!」

 「はやくクレーンゲームやろ!」

「お、おうそうだな最後だ!俺たちのチーム力みせたろーぜ!」

「まかせろってんでい!!」

「全力を尽くします‼」


 「よし…チャンスは、二回だ…」

 「なんで二回なんだ…」

「俺は金がない…」

「あ、ごめん…」

「許さぬ…」

 「と、いうことでチャンスは二回だ…」

 「任せて…」

 「私も頑張る…!」


 「今回は、このクレーンゲームとの戦いの指導者をお呼びしています。」

「っえ!?誰…てか蛍斗君…私たち以外友達いないんじゃあ…」

 「ゲーム特別期間指導委員会とくべつきかんしどういいんかい 会長…流川桃乃さんですっ!拍手っ!」

 「…えっ!?う、うち!?」

「桃乃ちゃん!指導、頼んだよっ!」

 …指導者って桃乃ちゃんだったんだ…蛍斗君が他の子を呼んでくる訳ないもんね

 「頼んだぞ!桃乃…。」

 「まっ、まかせなさいっ!!!!」

 「よし…ならば…100円、投入とうにゅうっ!!」


天のルールを説明しよう


ルールは簡単!クレーンゲームの第一ボタンと第二ボタンをチョンって押すだけ!

 プレイヤーは蛍斗と初葉…それをあやつるのが桃乃だ…三人の連携がとれていないと

 ぬいぐるみGETは不可能だっ!!さあ!がんばりたまえっ!!!


…ん?なんか今、天の声的な何かが聞こえたよな…気のせいか?


 「行くわよ!蛍斗っ!!」

 「お、おう…」

―――三人に緊張が走る―――

 「押して…まだ…まだ、まだ…今っ!はなしてっ!!!!」

 「ふぅ~…ここまでは順調だな…初葉、頑張れよ…」

 「う、うん」

 「よし…押して!………放してっ!」

 「これはいい所行ったんじゃないか…?」

 「うん!完璧…だ…どうだ?落ちるか?」

 「お願い落ちて下さいっ!!!」


クレーンゲームの爪はしっかりとぬいぐるみに引っかかた…そして、パーフェクト

な動きで。無事、ぬいぐるみが入手にゅうしゅできた…。


 「やったああああ!!」

 「よかったぁ!落ちてくれた!」

 「よし…一回目は見事成功だな…」

「ク、クレーンゲーム戦は二回戦へと移行する…」

 「了解…」

 「わかりました」

「さっきと同じ作戦で行くぞ…!!」

 「ラジャ!!」 

 「ラジャ‼」


―――見事、桃乃の指導により…二回戦目のぬいぐるみもGETができた―――


 「ねえ…このぬいぐるみ二個しかないよ…?どうする…?」

「う~んどうしようか…蛍斗君と桃乃ちゃんと私…三人いるしね…」

「初葉と桃乃で一つずつもって帰りな?」

「だって…そうしたら、蛍斗君の分がなくなっちゃうよ…」

「そうだよ、うちらだけなんか申し訳ないよ…」

「いや、俺は大丈夫だよ、気にしないで?」

 「だって今日は三人で初めて遊んだ日なんだよ?ぬいぐるみが思い出になるじゃ

 ん…なんか蛍斗君だけ思い出がないみたいで嫌だよ…」 

 「わかった…だったら、今、三人で写真を撮ろう」

「え…?」

「写真?」

「うん、そうしたら、思い出も残るでしょ?」

 「それいい考え!!蛍斗っ冴えてる~!初ちゃんはそれでいい?」

「うん!それでいいよ!」

「よし決定だ、じゃあ撮るぞー」

 「おっけい!」

「蛍斗君…!あのさ…」

「ん?どうした?」

 「写真撮り終わってからでいいんだけど…後で連絡先…交換しない?」

「…っえ、連絡先?」

「う、うん…ほ、ほら、友達同士だから連絡先持ってないと何かと不便でしょ…」

「まあ、確かにそうだな、じゃあ写真撮り終わってから交換するか」

「うん!!!」

 「ねぇ!ずるい!うちも交換したい!!」

「わかったわかった、じゃあ三人で連絡先交換し合うってことで」

「りょーかいでありますっ!」

「わかった!」

 「じゃあ写真撮るぞー、はいならんでー」


  「「「ハイ!チーズ!!!」」」



写真を撮り終わった後は連絡先を交換し、みんなで仲良く帰った。



―――そして、蛍斗の思い出に今日の出来事が深く染み渡った―――

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