俺の青春は500円の傘から始まりました。

ライバルと書いて友と読む

　「桃乃ちゃんは…蛍斗君の事が好きになったの…？」

「うんそうみたい…でも恋とかした事ないからどうしたらいいかわからなくてさ、

まずは蛍斗と仲良くなろうかなって思って…」

「そ、そうなんだ…」

「え、もしかしてさ…、」

「う、うん…」

「いや、あくまで憶測（おくそく）なんだけどね…」

「うん」

　「初ちゃん…蛍斗の事好きでしょ…？」

「っえ！にゃ、にゃ、にゃんで…？」　

「いや、もうそのきょどり具合からみてもわかるよっ、やっぱり好きなんだ…」

「う、うん…」

「そうかぁ～じゃあライバルだね！！これからも仲良くしようね！」

「ラ、ライバルなのに…？仲良くしてくれるの？」

　「あたりまえだよ！！ライバルと書いて友だよ！！！」

「うん！じゃあこれからは正式のライバルだ！負けないからね！！」

「うちだって負けないよ！こう見えて負けず嫌いなんでね！！」

　こういう会話をしているうちに昼休みの時間は過ぎていった。

　「起立！礼！さようなら！！」

「初ちゃん！一緒にかーえろっ」

「うんいいよ」

　「初ちゃんはなんで蛍斗の事が好きになったの？」

「えっとね最初はね私と蛍斗君の傘が入れ替わった所から始まったの…」

初葉が桃乃になんで蛍斗の事が好きになったのかを話しているうちに家に着いた

「で、私を助けてくれて…好きなっちゃたの…」

　「めっちゃいい話じゃんやっぱ蛍斗は優しいんだね…」

「うん‼あ、私はここらへんで」

「おっけ！じゃあまた明日、学校でね～！」

「ふぁ～よく寝た…風邪も治ったし、今日は学校行けそうだな…」

　支度（したく）を終わらせ、ご飯を食べ終わったと同時にインターホンがなった。

「蛍斗君おはよー」

「おはよう初葉」

「身体の調子はどうなの？」

「うんだいぶ楽になったよ！てか多分治ったかな…？」

「よかった～でも今日は無理しちゃダメだよ？」

「わかったよ、行ってきまーす」

　「はーい行ってらっしゃい」

――――蛍斗はいつもの日常が待ってると思ったらそれは間違いだった――――

　学校につくとそれは起こった…

「じゃあまたね初葉」

「うんじゃあまた」

　「蛍斗ー！！」

「え、えっっ！？」

　ど、どういうことだ…なんで流川桃乃が俺に話をかけてくるんだ…。

　…っあ！！そういうことか一昨日、ハンカチを貸したからそれを返しに来たのか

「蛍斗！今日は学校来てくれんだ…風邪大丈夫？…私のせいで風邪ひかせたから、

ごめんね…」

「え、あ、うん、別に気にしてないからいいんだよ」

　…んぅ！？その前になんで俺の事…呼び捨てなんだ…別にいいんだけど…。

「それならよかった…」

「んでなんか俺に用でもあった？」

「あ、うん！これ！ハンカチありがとね助かったよ、（（嬉しかった」

「そうかそれならよかった」

　助かったの後になんか言ったのかな？よく聞き取れなかった…。

　「あ、あとね…昼休みに屋上に来てくれない…？」

「え、おう…わかった、行くよ」

「うんっ！じゃあまた昼休みに」

「お、おう」

　なんなんだろ…俺になんか話でもあるのかな…てか、それより…めっちゃみんな

　に注目されてるんだけど…めっちゃ見てくるじゃん…そりゃあそうだよなあ…俺

　みたいな冴えない奴が、学年のマドンナと話してるんだからなー…。

　「はーい朝礼始めるぞー起立っ」

―――そして昼休み―――

おし屋上行くか…

「蛍斗君！お弁当一緒にたーべよ？」

　「ご、ごめん、俺、今から屋上に行かないといけないんだよ…」

「え、なんで？なんかあるの？」

「うん、流川桃乃に呼び出しくらってな…」

「そーなの？私もついてっていい？」

　どーだろ…別に一人で来いとは言われてないからいいよね…？うん。

「いいよ、じゃあ行くか」

「うんっ」

「蛍斗おそぃ～！」

「ごめん少し遅れた…」

「あれ…？初ちゃん？」

　「蛍斗君についてきちゃったダメだった…？」

「う～んっ全然大丈夫だよ！」

「え、なにお前ら知り合い？？」

「うん桃乃ちゃんとは昨日、友達になったんだっ」

「そーなのか…」

　俺がいない間になにが起きたんだ…、てか初葉、流川桃乃と友達になれるくらい

　ならコミ力高いじゃねーかよ！

「で、流川桃乃は俺になんの用なんだ…？」

「うん…あのね、」

「お、おう」

　　　「「『！！友達からでいいので私と付き合って下さい！！』」」

「…………えっ！？」

　学年のマドンナ流川桃乃が⁉俺に…こ、こ、告白！？どうなってんだ…。

　まあ友達からって言ってるし…、友達になるか…

「お、おう…よろしく」

「ほ、ほんとに⁉」

「おう、えっと、友達からでいいんだよな？」

「うん！！友達からでいい！！！！」

　「でもなんで流川桃乃が俺にこんな事言ったんだ…？」

「てか！もう友達なんだから！！そのフルネームで呼ぶのやめて！！」

「え、じゃあなんて呼べば…、普通に桃乃でいいのか？？」

「うん！それで！うちは今まで通り蛍斗って呼ぶから！！」

「おう…、」

　「これで蛍斗君と桃乃ちゃんが友達になったからこれからは三人で帰ろうね！」

「いやいやそれは…桃乃にも友人関係ってものがな…」

「うん！これからは三人で帰ろ！！そんで遊ぼう！」

「いいのかよ！！」

「早速、今日の放課後から遊んじゃう？」

「蛍斗君はなんか今日、予定ある…？」

「いや、特にはないけど…初葉は何もないの…？」

「うん、私も何もないよ！」

　「じゃあ決定だね！！じゃあまた放課後！二組に集合で！」

「はいよ～」

「あ！次、移動教室だった！蛍斗君、またね！」

「おう」

あーもうそろそろ授業が始まる…俺も急ぐか…。