ー10

 鳴り響く銃声、テロリスト達は何が起きたか理解出来ていないであろう。

 

 

それ程ゼロの動作は流れるように早く、アリスとティアが何が起きたか理解出来たのは銃声だけすると光の弾が男の頭に命中して倒れる寸前であった。

 

 

「ほら親の所帰りな、一人で大丈夫だな?」

 

 

「う、うん……ありがとう!不良のお兄ちゃん!」

 

 

 倒れてピクリとも動かない男から解放された女の子にゼロが話しかけると、女の子は力強く頷くと両親の元に走り出した。

 

 

「不良は余計だ……ったく、最近のガキは」

 

 

「て、てめえ何しやがった!化け物があああ!」

 

 

 煙草の煙を吐き出しながら不満を口にしたゼロの背後から男が銃口を向ける。

 

 

「先生!」

 

 

「危ない!」

 

 

 ティアとアリスが同時に叫ぶと、ゼロはため息をつきふと姿が消えると肩を組み銀色に輝く銃口を頬に突き付けていた。

 

 

「まあ化け物ってのは間違いじゃないが失礼すぎんだろ……あと魔道具ぐらい作り出せるくらい魔力を上げてテロを起こせ、機関銃に魔力込めて発射するなんざ三流ですって言ってるようなもんだぞ」

 

 

ゼロは躊躇なく引き金を引くと、光の弾が顔に直撃すると男はその場に倒れ込んだ。

 

 

倒れ込んだ男を見て、アリスはダルそうに煙草を吸っているゼロを恐る恐る見つめた。

  

「ねえ……死んでるの?その人達」

 

 

「はっ!襲われかけたのに優しいな、心配すんな魔力の弾ぶち込んで気絶させただけだからな……他の馬鹿共も同じだ」

 

 

 倒れ込んだ男を見て不安げな表情を浮かべるアリスにティア、そんな二人を見てゼロは鼻で笑い銃を構えるとあっという間にテロリスト達を殲滅してしまった。

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