ー7

「なっ、何だ?」


 

 突如響き渡る音に男達は頭上を見上げると、目に涙を溜めていたアリスとティアも頭上を見た。


 

音は止むと直ぐにカンカンと列車の上を歩くような音が聞こえてくる。



「上に何かいやがる!撃て!ぶっ殺せ!」


 

 正体不明の何かが列車の上を歩いている事に動揺しているテロリスト達は一斉に銃弾を放つ。



当たっていないのか何かが歩く音は止む事がなく、列車の出入り口の前に人影が着地したのが見えた。


 

窓ガラスは曇っており誰かは分からないが、そのシルエットから人である事は間違いなかった。


 

「まだ誰かいやがったか……構わねえ!ぶち殺せ!」


 

「駄目!止めてっ!」


 

 アリスの叫びも虚しく、男達はありったけの銃弾を乱射させる。



銃弾は壁の突き抜け人陰に次々と直撃していく。



アリスとティアは目を逸らし、銃弾を撃ち切ったのか銃声が止むとゆっくりと目を開いて扉を見た。


 

「何だ?この列車は……随分うるせえな」


 

「あ、あんた!」


 

「ゼロさん……」



 何事もなく扉が開き入ってきたのゼロ、アリスとティアは信じられない表情でゼロを見た



ゼロは煙草の煙を吐き出しアリスとティアに近付いてくると、二人の近くの席に腰掛けた。


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