ー6

「あ……あうっ……」


 

「へへっ、まさか魔道具を持ってる奴が乗ってるとはな……おら!早く武器を捨てろ!」


 

 涙を流して震えている小さな女の子の頭に銃を突き付け、男はアリスとティアに剣を捨てるよう指示する。


 

アリスとティアは厳しい表情で顔を見合わせると一度頷き、剣を前に放り投げる。


 

それと同時に、残りのテロリストがアリスとティアを後ろから捕まえると顔を触った。



「へぇ……二人共むちゃくちゃ可愛いじゃん」


 

「どうしちゃうかな?」


 

「離して!触らないでよ!」


 

 嫌らしい笑みを浮かべている男にアリスが叫ぶも、男達には逆効果であった。


 

「おお、おお……威勢が良いね!これは可愛いがり甲斐があるぜ」



「アリス……んんっ!?」



「へへっ……こっちの子も上玉だぜ、さてと……どこから可愛いがってやるかな?」



 男がティアの顔を見て舌を出すと、ティアは目を見開いた。


 

「い、嫌っ!止めて……」



「ははっ!震えてるぜ……可愛いよな」


 

「こっちもやっちまうぜ?」



「ティア!!嫌っ!止めて!触らないで!」



 ティアに顔を近付ける男にアリスが叫ぶも、アリスの顔にも男が舌を這わせようと近付けてくるのを見てアリスは目に涙を溜めて叫んだ。



その時であった。走行する列車の屋根にガンッ!と巨大な音が響き渡った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る