ー5

アリスとティアは息を呑み椅子の陰から隙を窺っていると、列車が動き始める。

 


「これで外からの助けは期待出来ないわね……」



「そうだね……私達で何とかしよう」



 アリスの言葉にティアは頷くと、手に持った剣の柄を握る力が強くなる。



「おらぁ!全員地面に伏せろ!下手な真似しやがったら殺すぞ!」



 列車テロの一人が銃口を客達に向けて威嚇しながらアリスとティアに近付いてくる。


アリスとティアは顔を見合わせると一呼吸置き、男が近付くのを見計らい同時に飛び出した。



「雷よ!」



「なっ!?」



 ティアが飛び出し叫ぶと、黒く輝く剣の先端高密度の雷が纏われる。


突如飛び出してきたティアに対応出来る訳もなく、男は雷の刃で切られるとその場に倒れ込んだ。



そして次々にテロリストを切り捨てるが、遠くにいた男がティアに銃口を向けた。



「このっ!」



「させないわよ!」


 

 銃口を向けた男に向かってアリスが剣を振り上げると、白い剣の先端に炎が纏われ男を切り捨てる。



これでテロリストは全て倒し、後は動けない様に縛るだけという時だった。



「てめえら!動くんじゃねえ!このガキがどうなってもいいのか!」



 全員倒したと思ったがまだテロリストは残っていた。


 

テロリストは女の子の頭に銃を押し付け、嫌らしい笑みを浮かべてアリスとティアを見た。

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