Macaron Chocolat② 〜マカロンショコラ〜

  ゴクリ

 夜の公園で、ブランコに座った私は、唾を飲んだ。時々、冷たい風が首を撫でる。綺麗な白い箱を開ける。微かに、あのお店の甘い匂いが鼻をくすぐる。

 そこには–––––

 淡いオレンジ色のマカロンがあった。見ているだけで元気をもらえるような、そんな色。なぜか、キラキラと輝いて見えた。私は、マカロンをつまんで、っと眺めた。そして、匂いを嗅いでみる。

「レモン?」

柑橘系の香りがした。口元に持っていき、食べる。

  ザク

噛んだ瞬間に口の中に、レモンと柚の香りが広がった。すっぱい・・・でも

「おいしい」

私は呟いた。すっぱいのだが、しっかり甘さと、バランスがとれていた。レモンと柚のコンフィチュール(ジャムのフランス語)が、甘さ控えめのホワイトチョコに入っているようだ。

「なにこれ、めっちゃおいしいじゃん」

私は、一口ひとくち味わって食べた。しかし、あっと言う間になくなってしまった。まだ、マカロンの味が口の中に残っている。

 おいしいお菓子を食べたあとは、その味が恋しくなる。最初は、ほんの興味程度だった。Douce tentation甘い誘惑っていうお店があって、入ってみただけ。たったそれだけなのに、私は、このお店のファンになってしまった。だって、マカロンからも、お店からも、パティシエさんの優しさや、フランス菓子に対する愛情がにじみ出ていたから。

 今度、違うのも買おう。私はそう思い、立ち上がった。



…瑠璃ちゃんの一口メモ♡ マカロンを選ポイント編…

①生地の表面が凸凹になっていない事。滑らかな曲線である事が大切!

②下に、ピエ(フランス語で足)がある事。

③甘すぎない事。(大事!)


※ピエとは・・・(写真見たらわかりやすいと思います。)

下の方に、ふにゃふにゃって付いているもの。温度が足りていなかったり、マカロナージュ(メレンゲの泡を潰す作業)が足りていなかったりするとできない。

→ピエができている事が大前提。

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