第99話輝夜、

瞳を潰しあい開眼に印す血の跡は、道に成るであろうか。


私が身に着けていたはずの瓦礫たちはうずめきあい、

過去に知り得たヒメゴトのような、いろめきを宿す


私が裸たる所以は個個に終われている。

彼方の眼球に収縮する思い出を着せて暮れれば

本望の月日に為り。

天が褐色に替わるころ。春に魅せるか冬に狂うか。

約束も果てそうな、酔い咲きの紅梅に唇を寄せよう。


無くして暮れるなよ、雨夜。

明日はきっと晴れるのだと知って笑んで

君といつまでも過ごせると云い反す、

そういうごとに時は満ちるもの

身散るのも、生きとし生けるもの、光と影


縁り添う愛花あいか



#詩コン 黒

#アトリエ部文芸展 情

#フォエム52 存在

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