第87話ひがな 誰かの為に。

ひがな

くだらぬ死を望て朝に向いことかき思を騙る晩に迎う 祖は確か 薄暗い泥舟に浸り 緩く狭く恙無く 許バカりなヒトヨ 一夜の恋に狂わ去る 寒くて温い其の世界 底に私らは要るです 往く逝くは同等と識る 比較も四角も視覚を啄く 出るわ誇りと埃の恩賞 我烏の闇に集りて 思惑の隅に置けぬもの

誰かの為に。

いいかげんな含みを持たせ 花の彩葉、 気疲れて、勝手喚き散らす その夜を孕み一体どこに産み落とす 曇り硝子の中にちょっとの芥 誰にもわからない尖端を牽いて わたしばかりがいたい 築かれないように 傷枯れ無いよに 跡を残して、遺してゆく。 わからぬ侭 唯、黙して種を撒くこと




ひがな 誰かの為に。

くだらぬ死を望て朝に向い

いいかげんな含みを持たせ

ことかき思を騙る晩に迎う


花の彩葉、

気疲れて、勝手喚き散らす

祖は確か

薄暗い泥舟に浸り

その夜を孕み一体どこに産み落とす


緩く狭く恙無く 許バカりなヒトヨ

曇り硝子の中にちょっとの芥

誰にもわからない尖端を牽いて

一夜の恋に狂わ去る


寒くて温い其の世界

おのればかりがいたい 底に

わいらは要るです


築かれないように 傷枯れ無いよに

往く逝くは同等と識る 比較も四角も

視覚を啄く 跡を残して、遺してゆく。

出るわ誇りと埃の恩賞


わからぬ侭 唯、

黙して種を撒くこと

我烏の闇に集りて

思惑の隅に置けぬもの


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