第75話人魚姫はいない

思えば祝いであり、呪いであるから

声をあげれば本当に成るだなんて簡単なようでいて難しい。


だいたいそんな言葉があってどんな御託を並べても

運命だの咎だの都合の悪いことはくるんで、

人間簡単なもので心など動かされてしまう。


その割に石のように固く頑として動かないもの。

意地になってるんかもしれないと君が笑うけれど

もう既に遅いんだ。


私に救いを求めないで、岩礁は嘆く。

琴線に触れ感傷に浸り、かつてなものに祈りを捧げる




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