第74話きみのひとみがおよいでいる

毎夜毎夜

星が降ってくるように

薄汚れた腕で空を掻き混ぜる


もう疲れてるのに

僕の尾びれは進むことを止めなかった


その一粒はちぎれんばかりの輝きを放ち

特に小さな影を作った。

ここに雪を頂いたようだった、カビたパン。

生まれ逝く生命がめぐりめぐる


海はとても静かだった。


困惑する小鳥たちは未来を見失い

ばたばたと倒れて言った、


あれが壁なのだと。

無数に空いた穴から射し込む光だと。

彼は根拠もなく言い、放った


言葉は無慈悲かもしれない

己のものにしてしまえれば

救いにも集りにも魅せよう、と


その瞬間、世界がちっぽけであったものに

不意に寄せられた僕が落っこちたのは

いうまでもなき


ラク。


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