第68話思考錯誤

 すべて世界は見えるだけで触れた瞬間今となって表される、しかし、この感覚すら人の遺伝子はアペとペに繋げてしまう。

 さあ君たちの本当とはなんで有ろうか。


 想いとは薬莢に詰めて打ち込めば何も無い空間が捻れひしゃげ、こめかみを通過する辺りで脳漿が円な球体を満たす。心が氾濫した時は初めから留まるすべを知らない、よって見世物小屋に救われた命か、無論貴様らは放置したのだ。

 溢れ留まることなく、よくもまあ、人類など面白くもない最低な絵空事を繰り返す。学びのない壊れた糸車に過ぎず、編み込まれた神も何もかも太陽に向かい燃えるだけ。

 生物として光惹かれるだけの欲に捻じ曲げられて、自らで作られた勝手な選別によって生き様の棺桶に惰眠を決め込む強靭な幸運に熟まれ、大層ぐるぐる廻ってる方がまだ許される罪は。


 まったく、そこだけで死んでくれ。

 如何しても想い侍りよきように変換され、僕達はひとつの揺籃の夢に包まれる、愛だ。

 抗えない時を流されていく、永遠にとどまらないメビウスの進路を決めるのは誰でもない、

 時の仕業、

 それすらも信じればこそ、形に在ると思い込む、本当など、空想でも、思えばこそ、熱しやすく冷めやすい、簡単に吹き消される、共に灯る命の炎に過ぎない。

 やはり水底に揺蕩う一縷の針に未来を通し囁かで環状な嗜好に取り憑かれ支えられて、何処か薄く放たれた虚ろな立方体の回転帯、永遠、死してなお止まりそうにもなかった。


 けれどどうでもいい、死んじまったら同じ、底には何も残らない、誰もいないのだから、もう関係の亡い、私心は誰にも通じない、空に解けた言霊の行方は知らずに、勝手に歩み続ける。

 掠れ続けるまで、引き吊って逝く、大嫌いも大好きも、点いて憑いて廻る。


 阿呆ら士気かな誰彼も、クダラナイ言い訳に思い込まれ、処処勝手な至高の世界。交わるかな、重なるかな、紡がれる道、慾の我儘に往き往くのみ。

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