第66話 鳴禽の列

鳴禽の列


日々苦し紛れに膨らむ、

私の息を潜めた紙飛行機

私の生涯をはらんで


ただ時のまにまに

どこか知らない処に

運ばれてゆく


(風船は要りませんか)

いつか死ぬのだろう

(信じていると受け入れて)

刹那の悲痛な声が届く

(驚かせてごめんなさい)


地上から天を見下す様に

小さきこと、ささやいている。

空までが焼けたのだろう

赤い明い宵闇に走らせる飛魚


彼の過去の彼方に

静かに手を差し伸べたい。


私は思いを馳せるだけ

祈りは届きそうにもない。

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