第62話うらみち。

焼け爛れた靴で踊れば

君にはよく似合うと思うよ

僕の傍らで朝まで御眠り

想いも要らない傀儡に成りたい


たやすい言葉は本音を履いて

今日も私たちは回り続ける


ああ変わらないのさ、空はついぞ

からっきしの愛情を降り注いでいる

だくだくと同じ時のこない水を流して

しんしんと濡れそぼり涙を隠している


幸せの近道を選んで

蝉の死骸を見ようとせず

綺麗な宝石に躓いて

泥沼に落っこちる未来の道


今日も田舎道をつらつらと進む影

これが幸だと知っている。

心中は張り裂けそうな朱を望む。


小さい曲輪を漕いでいる

三輪車の夢を見たかったのに

夕日が悲しく夕餉を運んで

時が過ぎるもまた幸ゆえ、の所以。


家族と食事と浴室と布団

今も昔も変わらないのに

心も懐も寂しく埋められない溝は

だくだくと蟠って、私を留まらせる

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