第58話 滑稽な寸劇

光の欠片。陽と月の木漏れ日に導く

走り抜く葬列はいつかのものでした。


瞼の奥のオレンジ 出し抜けに重なる

確かに逃げ去る面影を掻い摘んでいる

偶然の空想は寄り添う形に変わる代る


どこかに捨て置いた

アルバムの片隅でもって

あの子と僕は対角線上であり

笑っていただけの共でした。


これからも孵られない今の世に。

蛙は大海を知らずに夢に跳ね踊る。


月日の思い出にひとしきりの遠い雨

会い交わした出逢いと別れに対峙した

映り込んでいる虹の端に立ち尽すばかり。


わたりきれない橋をすれ違い亘っている。

ぱらぱらと捲る記憶を呼び起こしている。

ともにばらばらに散った艷花。

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