第43話乾涸びた花
乾涸びた花。
ドライフラワーを愛でる、寂しいだけの初雪。
きっとすぐ溶けてしまうけれど。とても寒いね。
約束は果たされず涙は枯れ果て、随分削がれてしまった身。炎は焚けるばかり、だけど、寒々とひとりひたる。
懐かしい時に溺れるワタシとアナタの朝、何処にでもある おやすみのひ。
オイルに浸されたピクルスは嫌われ者だった。
あなたは私に押し付けてばかりで、まるで子供みたいねととちょっとだけ思いだし吹き出しては 悲しくなって、口に放り込んだらば。つけすぎたからか、あの時の味にはならない。
けれど、あんなにも避けて通っていた道も、遠回りでも進む勇気もなくて、あなたと語ったハンバーガー屋はとっくに潰れてしまった。
なんだかやったこともないことにチャレンジして、今嘘みたいだけどなんだかずっとずっとあなたが傍らににいるような気がしていたけれど、今とても胸が苦しくて、軽い涙が一筋。
やはり初めての気持ちと上乗せされて、馬鹿みたいに、寂しいのか、痞えずにに噛み締めれば笑顔だって飲み込める。などとやっぱりすすり泣くばかりです。
度々水槽に流れる琉金は此方を知らん顔、どうしたって無駄に与えられたあぶくを 喰らって生きていた。
墨亘れ あおいそら 浮かんじまった 時は。仕方なかったと割り切ろう。
反転しても戻らない、砂時計のあの感じ、
いつか土産で買ったままで時を刻むこともなかった。この子は、受け取るすべを持たないまま雪の結晶みたいに儚く、汚らしいゴミクズだって、終いに着飾れば、思い出に そう凍りついてしまいれば、透明に溶けてなくられる。
今。
過去も未来も。
いつか。
綺麗な星屑に生って 空に散り嵌めて 解きを待っている。
煙突の通れないサンタクロースみたいに、太っちょでも愛される 私たちで在りたかった。
正解は二手に分かれ夫々海を描いたらば、寄せ返すけれど、涙も垂れるばかりで、どっから増えるのか嗚咽ばかりが口をついて、ただの吐瀉になる。
言葉にならないうやむやな海岸線に繋がれたままの円環を慎ましく、漣が流していく、届かなかったボトルメールも、死んでしまった貝殻も、音の感触はずっとずっと泣いていても。
心をなだらかに。
砂地に埋めていく、私たちの足跡が、私が今ここに一人で立っている一本の匕時計に、あなたと私の影は同じ時を刻んでいけるのかもしれません。
外からから見ればやはり私たちが一番の砂時計であり、ながれ落ちることのない底に溜まる芥。
それでいいと私はこの歪んだ人生に酔ったまま独りしまいまで歩み続けたいのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます