第42話 【玄に関す】

【玄に関す】

小脇にえたオパールの海に 火神ヒカゲうつ

輪廻は イロを拝借する 虚ろに灯る

対岸に 手招くよな 朧な|尽き

襤褸を纏う 不純なワセリンの鬼灯を 恥じいた、

美を竦ませるけ。


光が滑り降散る。

混沌がやつて 総てを今日


外套は深く歌舞り 街灯はイロを堕とさない。

人々は静寂にえ脅えて要る。

欲深きものたちは、常に何かから、

逃げ、訴え、耐えている。狙われている、

但し正し然し併し 我蛾儘わがまま 感染うつろ気につき

逢つてはならぬもの。


簡単に搦め捕る種染しゅせんの傀儡、

安楽ギニョールが処々勝手に白紙を刻みだし、ラクをしる

己が手繰り寄せ 頸椎をそつき、


吊られる。

白指で篭める、

らくにらくに雪、《幸》、


心にアイていたもう、と。滔々積もる。

永久を留め硝子の花園に埋もれたモンタージュたち。

炎に妬かれ、夢に沈むように椿はその美しさを保ち続ける、

春が狂う終の住処で創り出された軌跡の宝石。


租の教会境界に渡し太刀わたしたちに|因り縁りて ヒトハ、

見ずから自らの幽魂に架かりひたりひとり 仕方無く

みづたまり にけて逝つたのだ。


幾重にも織りて復す ことわりの命が

奏多に詠った様に、洛に楽に割らいて

境界に経ちた 方舟の定例演界 、

その地様々にの彼方の時を延ず。


星と月の形を燃した 明日への道幅は、遠くて誓い騙し絵の蒼界。

煌いただけの舞雪まいせつに 鈍く蠢いたまなこだけがる。

純白に期せられた 地蔵の如く。


今、あさやけにて(似)


流れ乍らの未来、ゆく宛て不明の紅葉は、唯、

魅せるばかり。動けない影にかれた

私たち。

秋の残骸

まあかだらけ。

奇麗きれいにもぬめつてる。

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