第39話獏のlog

 ねえ アインス。

 貴女は区切りのない正解で、嘘も誠も無いもの騙りをしようとしている。

 

 空白に踊らされた野良猫を、描いたクロスを敷き詰め、貴女の感情は小花柄のエプロンでおしろいをはたいて、見失った過去を上塗りするだけ。

 さあ、ラクに腰掛けて魅せてよ。

 

 貴女はエリート神様。意地悪で転に仕舞われる十字架を委ねている。

 

 そうね、すらりと伸びた手足 明明と狭まる視界

 襲われていく感覚 弱視 その背の羽根が堕ちる。

 嗄れた死の唇に 手向けのコトバを捧げますから。

 

 ねえ、コーラル

 干乾びた水挿しに蝶々がふらちふらり。

 

 其の罅間でに、蘇の日々に純度の高い、空かしただけのステンドグラスに貴方は簡単に口を浸けたわ。

 

 いたいけない気泡が一杯に詰まった愛途上。

 

 美しい深青の海に抱かれなかった桃色珊瑚達を。波打ち際、瀬戸際のあいいろ、やつとき出逢えた月様を沙羅に乗せ、トコ迄連れて逃げて。

 蛇口の決壊した愚かな砂時計は時を無くし、

 委ねた器には 彼方の華が、くだらない雨に打たれている。

 

 私欲の海岸線何、緑も変わる記憶の流さが、善くできた未来に襲われて私は夢もまた夢であることを悟る。

 よじ登るすべのないハシゴは全くの氷菓子。

 

 お高かったのかしら、今ではもうタピオカが潰れて、汚くて落ち窪んだ穴ぐら暮らし、めくらましの眼球を舐め腐り滔々失明した。

 

 腰掛けにもなりゃしねぇ なぁ、流行りってなんだよ。

 時は刻々と刻んでいく、このシワをログでもない思いは、

 

 そうだね、作り出されていく

 まあ、新しいものに始まりの縁に産声をあげている

 その幸せに、その苦しみに、呂律が回らない、

 はぁ、足取りも軽やかに坂道を転げていく先は勿論

 みなみな等しく くちばしに戻るかな、囀る鳥は何処へ往く。

 

 啄んで送れば そうそう 生え揃う 生まれ往く僕の唄。

 

 きいてくれないか、お願いだから

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