第32話 【からっぽ】

嵩の持たないフードコート 照らす狐の嫁入り 

流れ着いた御人形の腕を結んだ 駆け込み寺に星々が覗く 

甘い雨降り しょっぱい紺碧の飴 包み神様お月様

手作りの楽園を追放された。

あなたとわたし/ときどき/ぶつかって星ができる。

影日向はまだまだ木漏れ日の夢を見たがっている。

高いだけの理想、無駄噺、

アイシテルの呪い、今日も人々をちに転がし 

此処に呱呱に個々に哭くだれからも愛されない 

ゴミだって芥だって、私たちを形成していたのよ、屹度

棄てられたおままごと してるみたいな、

たのしいのか さみしいのか。でもね

ぽつりぽつり 御天気雨だから 虹が出るって

希望を抱いて そうやって生きる。

怖くて仕方ない ダウンバースト 夢だって嘲笑って 

下らない噂に呪われたい かたちだけと吹き跳ばす 

ほんとうのほんとうはうそだらけの 孤独繋ぎ。

栄え揃う翅だけ 詰め直す 深夜零時のしまい

貝殻の聲は聞こえないけど背中背中合わせであいしてほしい 

雨の音だけが ひそひそおしゃべりしてるよな 夜な夜な 

歩いてきたの 止まっていたの ときは今 

ひとつの静寂に 浸去る。【からっぽ】

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