第29話いしつぶつ

 数ある瓦落多の中から値打物を捜す

 曇天上に嘲笑う月が見え見栄を張る

 虚勢を振り撒いて明るく勤めて弾く

 

 響我(ヒヒ゛ワレ) 零れ星屑 唯(タダ)見守らん

 

 私の未来は思い出を仕舞えない

 散々な叩き売り 他人様では塵芥同然と

 宝の山 幸せの残滓 慾の渦 塒巻く蟒蛇を

 歪な部屋に籠る己が残骸をどうか救って 

 

 憐れにも可愛くも在れ 身は要らないのだから

 

 懐いてくれ すこしなりとも

 想うてくれ あいもかわらず

 

 呪詛の器 祝詞と棘 違う血が地が知が値ガ、我。

 

 減ることの無い時は既に流る瑠々

 果てること無く在りし日の線と成す

 亡くなりはしないのだ 無くなることはないか

 

 おもいださないで 底に生き恥をも顰めている

 囁きにも耳触りな風を感じて仕舞えば

 そこにいるのは誰であろうが私は渡去れ亘りて。

 

 成立した取引は常闇まで未知を犯す

 翳を纏わせ 有り得ない魂に喰われて熟る

 思念の花織 両手にブーケ 庇われる薄明のベール

 

 彼方の幸は約束を交わし

 出逢致し 可視化し馬鹿し会い

 あいなりて相乗奏上 終いの遠海にほら

 

 みつかっちゃった 身浸かっちゃったの。

 あらたかな我楽多に埋まれたアナタ

 もうすぐ、

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