第28話 飽和

 崩れた落胆を拾い集めソラの図案を描いた。

 展望は泣きそうなほど、ただただ青かった。

 さながら底は阿鼻叫喚 奇々怪々の競争を 見せる 天井の幼稚園と 炒った処

 雑念が 高揚し 渦を蒔いた、悪態は広がるばかり

 

 鈍色に錆びついたシーソーが一頻ひとしきり物悲しげに詫び 寂びて射る。

 赤や黄色に色づいた信号機でも道は見つからず

 行くあてもなくに立ち止まる 私は、

 

 幾度もお辞儀しても見えやしない。世界に正解は必要だった

 誰もいない公園にかぜのねだけを頂いている。

 ざわざわと胸を抉っては透かしては 生きつまるところ、

 

 狂気と郷愁を呼び込む。

 吹き点ける未来の種子もトゲを持ち酷く痛々しい、

 唯の溜息もうんざりとするのは腹が鳴ったからであろう

 生きる為に声をあげる赤子、泣いてくれるな哭いてくれるな

 遠からず聴こえてくる足音が軽やかに 地を引き摺る、

 イロに代るように願うのみ。

 

 日々を坐して待つ。

 籐かごの中に溢れているのは空虚な落ち葉 そのものだとしても、

 集められた想いたちがいつか未来を紡ぐのだろう。

 

 そう信じて未だ此処に熟る

 愛も変わらずに飽き飽きと秋に背を向け、向き合うこともなく楽を懐くときに

 これを幸とせず、なんというのか。

 蟠るだけの思いなど落ち葉と共に、風に吹かれ自然に冬を迎えたいと思われる

 

 こうして終いに贈る唄を探している。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る