第26話 かご とり たちて

いたいけない愛情で御座いました。

いじらしくも拙い弱さばかりがひとめについて。

嗚呼、戻れはしない未知でございます、



共にしめあげて造らせた傀儡の人形

茎に射した幼い首、咲いては要る 悲願の華


百度参り。針の筵も糸小石 朱に爛るる軽石

朧襤褸の狂い月も五寸釘にて余を縛り留め


明けの薄命。涙を拭きて、破れたり

数多の兆し。彼方に謗法ほうぼう抱いた処


あけらかとひけらかし 酔いは流浪

打浸ける柩にはどくばな曼珠沙華


相応しく涙を縫い停めるは五寸釘の寝イロ

思いの丈 衝かず離れず みちしるべ


ひめくり 平生へいぜい 飲み下す芥 薄情。


丁寧に煎じる針 擁するは 雑に抱き啄んだ孔

噤んで摘んだ呼吸は浅く腐海にも


赫赫 嗚呼滔々

明けない夜は唸りを掲げ袋小路を初める尽き


蜜降りの月ノイバラの棘

見を穿つ 仕舞いの宴


イチニチイチニチ とりたちて 囀るは相槌の降りか


或、

いきを吐き

白に逝く、はじまりの一。

初雪に

御隠れに生られては、


はらり。



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