第10話【瞑る】

思い描いた美空の海に潜れるならば、

どんなにか嬉しいだろう

「まず第1に、泳げないくせに。」


吐き捨てるように絞り出した声に空は崩れ、

展に留まる滑稽な涙で溺れてしまう、清らかな海の水全て、

飲み込めれば 天に昇れますか。


綺麗なあぶくを吐いて解けて消えられると

涙を流しても、ソコに落ちるのは変哲もない ヨゴレモノ。


日の光に透かすようなアクリル絵の具の描いた膿は、

煌めいて揺らめいて

彼処(あちら)此方(こちら)に一閃を退いた

痛みと共に傷を作りいき場ない心の叫びを止めて

解き固まった。もう動かない、

キャンパスの上の血図と私。


鴎は何処に向かい、名にを呼ぶのだろう。

ヒノヒカリ崩れ落ちても影は纏ったままで、

そこにいたことを知らしめる、第2の人生に続く、

私で無くとも縁で有ろうと 触れ合ったもの全て伝わる熱になる

視覚から入った世界は思考になり、少なからずの影響を

お声に乗せる、鳴呼

おあつらいむけ霊柩車。

今を、さようなら。と


ただ真っ暗な闇の中で歩いた道が、心に救いをもたらすならばと、

眠りについたところで全然疲れは取れなくて、

これがあるから昨日があるとも思え。

海の底に引きずられるような、気づけば打ち上げられると。

毎日は痛みで出来上がる日々で。


やはり海は嫌い。

人生の中で数回しか行ったことがないけれど、

暑く、流され、浚(さら)われ、救われるのか。

人混みでも閑散でも あの漣だけが燻って

魂動だけを思い出す魅力ある塩のかおりにおもえ

蟒蛇に飲み込まれた おもい 怖い存在。

知らないこと。テレビの中だけで


羨ましいと思える 矢張り海。

なんて簡単に人は転ぶのだろうとしって

考える阿呆のままでいい。

今一番必要なものを順に追って並べていく。


おやすみなさい、今今

新しい日々はこうして道を作る


【瞑る】

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