第7話【嘶く生れ(いなくなれ)】

風に匂いを感じる季節。奏多

違いを知ったのは心が動いたからで、

公園のブランコが巻き毛と遊んでいる

いつの間にか緑が盛んに増え

世界は色を知らしめる。さらわれるお気説、

心にすくいを求めるように。


瞳を閉じてみる。奏鳴歌(そなた)

今まで怖くて触れようとしなかった光よ。

ここに来て暗闇に置かれ、

初めて水は温いと思うか

天からの雨が先か、私の涙が先か。


濡れて、ただただ気持ち悪いという。

このまま濡れても綺麗になれるわけがない、

そんな心本当はないでしょって疑り

初めからみようともしない

雨を詠えば気持ちも晴れますか?

現実 ありえないのでしょう。


心の余裕があるなら苦しくなんてない、

助けてと大声で隣に侍ることができる

人目を気にして、まだまだ余裕を含む。

蛇口から流れる血を溢れさせるか、

触れただろうか。


ざわめきだけが公園をかけぬけ

いつまでもいつまでもそこにある

新しい家が建つまで、必要とされなくなれば、

夕べの彷徨に導かれる。

惑うことなく


血に塗れてしまえばもう

感覚は伝わらないから。

何も見えない、恐怖、だけど もう動けない。

仕方ないも何もない、円堂の鐘が鳴り

風の囁きだけ、

私を耳障りと唱えてくれるのでしょう。

願いは最期まで、聞こえてくるは

はじまりの亡き乞えと終わりたい。


誰か傍らにいてくれるなら、風雪の否無き。

解けて無くなるまで。子の平の柔らかさを思い出す。故に、


数多の世の中は時間で動かされる

彼方は逆らうことなく真っ当に流れに乗る、当たり前

立ち止まったところでぶつかりも謝りもせず

ただ走り抜けてゆく風

厭うものはいない、

だから、それが正しいのです。


根無し草早々風に拭かれ、

惰眠を得る永れ。

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