第3話 灯篭

 展に寝転ぶ入道雲の流れは早く未だに夏である。

 空蝉達が支え合う簡略化された美醜、あの夜では当たり前の光景。

 今酔いも走馬灯が巡る童子が底に配したは朧尽き夜の幽霊船、

 柳の葉で創られた装飾が、風に泳ぎ疲れた水母がようやと迎えに来る。

 鏡遷しに知ったかぶりの水溜まりは涙か汗か。

 朝日と共に。


 お題 幽霊船 寝起き 入道雲

 #深夜の真剣140字60分一本勝負 (@140onewrite )

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