五、「くだらない、こんな世界」
スパート・オリジン
【スパート、色彩起源】
あの輝く背中に憧れた。
持つべきものは、きちんと与えられてきたと思う。家族も、友達も、勉強も、部活も、そこそこ充実していたはずだ。けど、そんな形だけの充実感なんて、後から思い出して懐かしむぐらいのものでしかなかった。だから、あの姿は一層あたしの魂を惹きつけた。
ネガの脅威からあたしを救ってくれた、あの英雄の背中から。
運命は、きっと劇的だ。恋愛だったり、仕事だったり、人には誰しも劇的な運命の出会いがあるのだと信じていた。あたしにとっての運命、それは正義の英雄との出会いだったに違いない。
だから、この道をこのまま進んでいくことに間違いはないのだ。
英雄の背中を追って、正義の味方になるのは義務なのだ。
戦え、戦え、戦え、それがあたしの運命なのだから。
「太陽は――冷たく現実を照らす緑の運命」
でも、どうして、あたしは⋯⋯こんな化け物と戦う羽目になったんだろう――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます