神里編~マギア戦線、夢の跡~
四、「そんな世界を、絶対に許さない」
デッドロック・オリジン
【デッドロック、色彩起源】
あたしには、本物が分からない。
絶対的な善とか、普遍的な倫理とか、そんなものがきっとあるのだろう。きっと、そう信じていた。心の奥底では今でもそう思っている。でも、マギアになって現実というものを知った。
世界を曇らせているのは、この身が無力だからだ。
力が無ければ、強いものに従うしかない。権力とか、法律とか、そんな誰かが敷いた正義に従うしかないのだ。それでも、この魔法の力はそれらに抗いうる超常の力。そう気付いたとき、法律や道徳が紙切れのように頼りなくなった。
正義を実行出来るのは、本物の力を持っているからだ。
眩しく、明らかで、そんな本物の光には目を逸らすしか無かった。
中途半端に、どっちつかずにやっていく。あたしに出来ることは、精々そのくらいだ。
「太陽は――きっと本物の赤い光を発している」
それでも、きっと本物は⋯⋯色褪せないよな――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます