三、「生き残るんだ、絶対に」

【メルヒェン、色彩起源】

　報われないものだと、常々思う。

　欲しいものはいつだって手に入らなかった。余計なものばかりが雁字搦めに縛りついてくる。誰よりも輝いている、そんな御伽噺の勇者に憧れた。誰よりも一番に守られるお姫様に、もっと憧れた。でも、そんなものはただの夢物語。夢想の世界。

　こんな世界じゃ、私は報われない。

　報われない。惨めな自分。あの誰よりも獰猛に輝くヒーローの隣には、決して立てないのだ。対等の立場には絶対に至れない。それでも、焦がれる胸の想いだけは裏切れない。しがみついて、藻掻いて、苦しんで。悲劇のヒロインの現実は、報われない。

　欲しいものは全部手に入れたい。

　だから、頑張ろう。いつか報われると信じて。

　そんな私を、あの光り輝くヒーローが救ってくれることを祈って。

「太陽は――遠く冷ややかな、水色の夢想」

　そんな夢想を現実に具現することこそ魔法の真理。だから私は戦うの――――

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