tea party 2
【茶番2】
「橙の魂、破滅を快とする弱者の足掻き」
モノクロ世界。尊大にふんぞり返る高月さんが、口の中に紅茶を流し込む。
「異常者が悪として駆逐されるのは、世の常だな」
「彼女が救われる道はなかったのかしら」
「本人にその気があれば、あるいは」
空になったカップに、並々と紅茶が注がれる。スコーンを鷲掴みにするその姿に、気品も何もない。それでも、様になっていた。この超然とした態度こそが、相応しいと、そんな貫禄が招待主にはあった。
「正義だろうが、悪だろうが、救いを求めない奴を救うのが一番難しい。厄介なことに、そういう奴ほど救われるべきなんだぜ」
掴んだスコーンをバリバリ咀嚼しながら、高月さんは不敵に笑う。
「無理、なのかしら」
「んなこたあない。不可能を可能にする。そんな英雄たちはいつだって世界を切り拓いてきた。俺様のあやかも、早くその領域に至ってほしいものだ」
テーブルの中央のゲーム盤。倒れた橙の駒を適当に転がして、招待主は浮上した駒たちを指差す。駒が色付く。その光景を、少女は憎々しげに睨みつける。
「見ろよ――――色取り取りのマギアの駒だぜ」
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