二、「この世の快楽の髄の髄なんだ」

デザイア・オリジン

【デザイア、色彩起源】



 人は、人生を選べない。

 どんな風に生まれて、どんな風に育てられて、どんな風に生きていくのか。全部ちっぽけな檻の中に押し込まれているだけだ。どうしようもない、行き止まりだらけの世界。無駄に身体ばかりが大きくなって、窮屈で、窮屈で、仕方がない。

 僕は世界一不幸な少女だ。

 恵まれない、可哀想な女の子だ。だからこそ、とても劇的で特別なんだ。不幸なのはとても不幸せだけど、不幸である自分は輝いている。荒廃した砂漠でスポットライトを浴びるのだ。


 不幸な奴は、不幸な末路こそがお似合い。


 だから、甘んじよう。破滅しよう。破滅的に輝こう。


 生まれなんて関係なく、誰もに平等に降り注ぐあの光の下で。



「太陽は――みんな平等に降り注ぐ、橙色のスポットライト」



 でも、やっぱり独りぼっちは寂しいよぉ……誰か、一緒に――――

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