最後のお話 これからも

 それからしばらくして、お母さんとお出かけする。街を二人で歩いたり、おいしいご飯を食べたり、何から何まで楽しい時間。

「そういえば、あなたのこと、おばあちゃんが自慢の孫だって周囲に言っていたのよ?」

 そうだったんだ……。

 お母さんを信じなさい、そう言い続けたおばあちゃんはもう居ない。でも、ぼくの記憶の中で生き続けるだろう。

 十一年前のぼくも子どもだった。今でもぼくはお父さんとお母さんの子どもだ。

 いつものお母さんの声で起こされることはもうないけど、ぼくは大事なことを見つけられた。


(終わりです。あとがきに続きます)

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