第7話

えるしどが来たときには、シグラモは見向きもしなかった。

ただ単に嫌いだったのである。しかしそのシグラモが、イジデンを見て彼に興味を持ったという。

シグラモは九つの顔を持つ女神。聡明でユーモア、美しく、醜い、あざとい、平等でいて世界を嘲笑う。


イジデンは三つの顔を持ち六腑を持っていた。まだ人類がいない時代、はじめて見合ったシグラモとイジデンが交わったあとには、何十億ともいわれる生命が生まれたとか。


わたしはまだわたし自身というカテゴリーでいうならば、何故、うまれたか、何故、いきているのか、何処、へいくのかを知らない


昔嫌いだったゴーギャンという画家もだから随分と好きになりました。

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