第4話

草原を歩いてこのかた、様々な生命が変容することを知っていたイジデンだが、その鳴き声は初めて聞くようなものだった。

まるで星空の輝きを耳で聞いているよう、大地の草の匂いが声から届いているようだ。


彼は生物が変容することを理解していた。ある時期に大地震が起こったり、火山が大噴火したりした際には、植物も草も変化して、大きい生物が小さくなりながらも共に生きながらえていた事を知っている。


昔はもっと大きかったあの丸い星が若干痩せて見えるのも偶然ではなく、重力の変化はあらゆるものを変容した。


イジデンは時間の流れというものを感じ始めていた。時間の流れさえなければ、失うことはない。しかし時間の流れが生まれるなら、そこからは逆に得るものがある。


それは簡単ではないが、宇宙の行く道筋に、身を任せてみたらどうだろうか。

それは草原の広場を管理する、管理組合員に頼むようなものだが。

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