第3話

イジデンはある時突然にのどの渇きを覚えた。草原は何千年続いたか知らないので、彼もまた何歳か知らない。

星を眺めるたびに、星が一つ消えることがあることに気づいていた彼には死の概念が既にある。


「星が死ぬいちおくねんのあいだに忘れられない過去はない。人はただの百年をどうして生きるものだろうか。」

何処からか声が聞こえた。


イジデンが始めてのどの渇きを覚えた頃、草原に泉のあるオアシスがあることに気づいた。イジデンは声に導かれるようにその湖をめざした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る