第2話

草原はとても広く多様な生命が息づいていた。夜になると輝かしい星空が満天に広がった。

草むらを這うと無数の虫がたわむれて、土を掘ってもみても生命に満ちあふれていた。

遠くを眺めると沢山の高い木があって、さらに高いキリンのような動物が葉をほうばっている。

イジデンは三つの顔を持っていたので、その植物の底には沢山の微動物がいるのを眺めていた。またそれよりも小さな微生物がいて、調和が保たれていることに感激した。


イジデンはそのように草原を歩き回り、なんとも幸せに満ちた感情を覚えた。


彼は夜になるとその草原に寝そべり、輝く夜空の星を一つ一つ数えていた。

とても数え切れないほどあるが、そのうちの一つは自分の星か、もしくは友人なのかもしれない。


とても美しい草原で彼は飢えも渇きもしなかったが、天上の星空を眺めて満天の星空のうちの一つが、我が住処なのだろうと思い始めていた。何故だか瞳には涙が溢れて、ほおを伝ってこぼれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る