食堂 後編

様々なことがあった。月日は流れ。

20年30年と過ぎたように思う。


「ここで働けると聞いてきました」


17.8ぐらいの女の子がふらりと店に来る。

店は繁盛していたのでスタッフは緊急で欲しかった。


そんなことどうでもよくなるほど内心驚いた。

容姿も雰囲気もよく似ているのだ、あのいなくなった女の子に。


てっきり娘だと思った。無事にどこかで生活して子供ができて

その子が偶然か今来たのだろうと。

そうじゃなくても親戚か何かに違いない。そう思った。


しかし、そうではないといわれる。いろいろ質問したが、

自分のことを話したがらないところまで似ていた。


しかし、受け答えもしっかりしているし、人を見る目に自信はあるから

雇うことにした。


内心では、無くしたと思っていた大切な何かが急に見つかり、納まるところに

納まったような気分だった。

それは伝えるようなものでもないだろうと秘めたままにした。

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