小さな漁村
この港は昔は簡素で小さなものだった。
最初は住んでいる者が食料を確保するために小舟を出すだけで、港というほどのものはなかった。
だんだん人が増え、村と呼ばれるくらいになると漁を生業とするものも出てきた。
彼らは今までの小舟より、少し大きな船をつけるに都合のいい地形を欲した。
船を留めて置くには乗り上げるような浅瀬や、海面の下に隠れてる岩があるようでは
都合が悪い。かと言って大波が入る場所も困る。強い海流があっても困る。
大事な船が壊れてしまうような場所は使えない。かといって土地の形を変えるような大仕事もできない。
探してみれば見つかるもので海岸を歩くと山の側にくぼんだ場所を見つけた。
海岸沿いの林を切り開き、漁師や村人が試行錯誤して小さな港を作った、強風大波で
壊れるようなことがあれば直しつつ使われた。
あるときここに物を運ぶ事を営みとする者が訪れ言った。
「ここを中継としての港として使わせてほしい」と、
彼らが使う船は輸送船と呼ぶには小さかった。しかし地元漁師の船よりは大きく屋根もある帆船だった。
船の作りはよくあるものであったが、真っ黒に塗られ、周囲を一周する細い白線が一本入っているのが特徴だった。
港に移り住まなかった者たちは、羊と野菜を育てていた。
輸送船は羊毛や野菜、乾物等の運送も始めた。
港には簡単な食堂や宿も作られ始めた。
出せる料理は肉や野菜、魚を簡単に焼いたり煮たりしたものだけだったが。
ここから話は少し時代は進む。
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