たわごと






ぜんぜん


ぜんぜん生きていけるけどさ



なんだか


なんだか疲れちゃったなぁ



ぜんぜん


ぜんぜん生きていくけどさ


これからも




何事もなく流れるように過ごせる日々が

あまりにも幸運なことなんだって

頭では分かっちゃいるつもりだからさ



だからさ


だからこれからも


生きていくけどさ




無性に斬り刻みたくなる衝動に

息も出来ない程に襲われる瞬間だって

あるわけで


あるわけで



泥のようなそんな衝動に抗うみたいに

泥のように眠り果てたのならば


少しは何かに赦させたりするのだろうか



泥を呑み込んだ夜が明けて

開けた目に飛びこんだ世界が

真っ白に染まっていればいいのになぁ


なんて思ったところで


世界は相変わらず

いろんな色に溢れすぎているわけで



塗りたくられた絵画が

かつての純粋さを取り戻せないかのように


もう取り返しがつかないかのような


諦めのような


もうどうでもいいような


そんな自分の顔が


朝の世界との境界である窓に映っていた





やっぱりどれだけ眠っても

拭えないものは拭えないのだろう

一緒に夜を過ごした友人みたいに

疲労が自分に溶け込んでいる




ああやっぱり


生きてはいけるけれど


当たり前のように流れる日々が

有難いものだという気持ちもあるけれど


やっぱり


やっぱり疲れたなぁ




なんて、静かに思った。雨の朝。













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