月の様、猫の様に。
気づけば
刃こぼれ
振りかざしたとて
切れるものなど何も無く
振りかざしたとて
何かが変わるわけでもない
気づけば
時が止まった
止まったまま
声も上がらぬ程
言の葉も干涸びて
心も止まったまま
眠ったまま
秋の
秋の夜に微睡む猫の様に
そう、願おうとも人のまま
何かを失くした人のまま
秋の夜に揺蕩う月の
この身委ねれば浄化されるか
汚れ 刃こぼれたナイフを
土に埋めよう
その土の上に寝転んで
猫の様に丸くなって微睡んで
いつまでも眠ろう
いつまでも
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