鳥居の夢


脳内に溢れた情報整理、深層心理、他者又は霊体からのメッセージ。


繰り返し見る夢には実のところどんな理由があるだろう


私にとってそれの最たるは

「鳥居の夢」である


山中に忽然と現れる痩せた木造りの老爺のような鳥居の場合もあれば


天空へも続きそうな狭く長い長い階段を上った先の社の前に据えられた、乙女を想わせる小さな朱塗りの鳥居の場合もある


私は夢の中で鳥居をくぐった事がない

惹きつけられるまま鳥居の前に立つのだが、

どの鳥居の前でも恐怖で足がすくんで進めないのだ



今朝見た夢はこうだった


私は道に迷い、見知らぬ広場をさまよっている

どうやらかつて集落があったらしい

家の朽ちた基礎だけがまばらに点在し生い茂った雑草に呑まれようとしている


草分け部分を進みながら私は焦っていた。

ここから早く出たい

体の右側に重圧感を感じ息苦しい


視界に入れないようにと努めたがそこに何があるのか見るまでもなく解る

離れようとするほど近くなってしまう

避けて進んだつもりがいつの間にかそれは正面に佇み口を開けていた



巨大で頑強な石造りの鳥居だ


どこが、なぜ怖いのか説明ができないがその恐怖は自然の猛威に対する畏怖に似ている


無情で圧倒的なエネルギーに縫い止められ

ただ恐怖に足が萎えてゆく


今回も鳥居をくぐらなかった、


目を覚まし回想する



誘い込まれているようにも

近づくなと警告されているようにも思える


いつか私はあの鳥居をくぐるのだろうか





あの鳥居は鬼を連想させた

























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