会長と書記と男の娘と俺

僕はお金が無い

放課後も暇なのだ

だから僕は織澤おざわくんの所こと、漫研の部室へ向かった


「おーす。」

「お、相井君じゃないですか〜」

「…………」

「どうしました〜?」

「お前、なんでメイド服着てんの?なんで似合ってんの?マジでなんで似合ってんの?」

「ふっふっふ、ボクは痩せて気付いたんだ!女装似合う顔つきだなって」彼は遠くを見て息を吐いた


「ほんとに夏休みに何があったんだよ………」

夏休み前の彼はめちゃくちゃ太っていた

それはもう見た目的にはお相撲さんだった





ガラッ



「扉を急に開けないでください、雪野さん」

「嫌よ、私の部屋だもの」

「いいえ、いや漫画研究会部屋なんですけど」と、織澤君が言った

「あら?こちらは?」

「この部屋の主の織澤君だよ」

「あ、どうも織澤だよ!こんなかっこしてるのは気にしないでね!」

まぁ、メイド服だもんな

「そうなのね、それで悠斗?何時になったら私を名前で呼んでくれるの?」

「呼ばん、これまでも、これからも」

「じゃあ、ボクは〜?」

「いいぞ、美華」

「悠斗?織澤くんは、男の子じゃなかったの?」

「何言ってんだ?美華は男の娘だろ?」

「ニュアンスが違う気がするのだよ〜」

「気のせいだよ美華」

織澤くんは、美華という名でコスプレイヤーをしているのだ、因みに本名は龍

アカウントを作った時に目の前にみかんがあったから美華にしたんだとか


「そろそろ会長が混乱するから、ゆうくん、ホントのこと言いなよ」

「それもそうだなみー」

「どういうことかしら?」

「ほれ」

僕は黒板を指さした

「ん?奏音美華写真集発売……?なにこれ」

「彼のレイヤー名です」

「あ、そう言うことね!分かったわ!!」

「ゆうくんゆうくん、話が長くなるのを察して知ったかぶりましたよこの生徒会長」

「気付かないふりしてあげなよ、あの子無知なんだから」僕とみーはコソコソ話したすると

「何話してるのよ!」と可愛くほっぺをふくらませながら怒った会長がいた


「……………ぷ」とみーが

「はっはっはっはっはなんだその顔」と僕が

「むぅー」と、まだふくれた会長が


穏やかだなこんな日が続けばいいな―――



コンコン―――ガラガラ


「かいちょーどこー?」あほ《書記》がきやがった

「あ、しょーちゃんーお帰りなさいませ!」

「おい、りゅーちゃん?なんでメイド服なん?」

「似合うでしょ?」

「かなりっていうか結構似合ってるよ!かいちょーふくかいちょーはっけん!」

『ちっ!』バレてしまった

「おい書記、ゲームしないか?」

「書記じゃないもん!戄子だもん!」

「しょーちゃん?ゲームしよ!」

始まった、会長のキャラブレが――――――

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