第3話
ふと疲労を感じた私は、道端で足を止めた。
眼下には、ぽつりぽつりと灯りがともった市街地が広がっている。
私が眺めているうちにも視界のどこかで一つ、また一つと灯りが増えていく。
その風景は、夜がすぐそこにまで迫っていることを感じさせた。
私は先を急いだ。
*
遮るものがなく、開けて眺めの良い場所は、いつまでも続くものではない。
駅へと通じる道をしばらく歩いていくと、少し下り坂になっているところがある。
この坂に差し掛かってしまうと、市街地の風景は坂の頂上に隠れて一時的に
見えなくなってしまうのだ。
それに加え、この坂はあたりを木々がうっそうと生い茂る林で囲まれていて、
夕闇迫る頃になると、もう光が地面に届かなくなり、一寸先も見えないような
有様となる。
正直あまり気持ちの良いものではないが、私は意を決して、この樹木の隧道に
飛び込んだ。
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