第34話 勝負成立?
「おっとまさか怖いのか?問題児ばかりの弱小3組に負けるのが」
「なんだと!貴様、真由様を愚弄したな!」
東次郎くんは透の挑発にまんまと乗っているが、島崎さんはというと、
「もっとマシな挑発を考えるんだな、それごときに乗るほど私は馬鹿じゃないぞ?」
意外と冷静だった。
「くっ!」
透は悔しそうにしている。
なんとか5組のカードを奪うためなんとか対戦に持っていきたい。もう一押し何か挑発できればというところなのだ。
「……あら?大きな胸はぶら下がってるのに度胸は小さいAカップみたいね……」
「何ですって!?」
声のする方を見るとそこには、
「アリーナ!復活したんだね!」
今さっきまで壊れていたアリーナが立っていた。
「待たせたわね、大地、少しダメージが深くて立ち直るのに時間がかかったけどもう大丈夫よ」
アリーナは少しばかり足元がふらついているが何とか正気は取り戻したらしい。
「言っておくがな、別にお前らの事など怖いというわけではないぞ!」
「ふーん、そうかしらね。 5組のみんながやめろって止めてるからできないっていう保険かけてるだけで本当は負けるのが怖くてビクビクしてんじゃないの?その胸の中に隠れときたいんじゃないの?」
おお……アリーナさんが止まらない。
「ムムム……言わせておけばこのーー貧乳!」
「ぷっ!それだけしか悪口は出ないの?とんだ弱小ワードセンスね脱帽するわ。もしかして脳の一部までその胸の中に吸収されたんでしょ?御愁傷様です。えーと、ダチョウさん……あっ!島崎さんだったわね。別にダチョウって間違えたのは脳が目玉より小さそうだなぁって思ったわけじゃないからぜーんぜん気にしないでね」
アリーナさんは本調子みたいだ。
そのおかげで島崎さんの顔がみるみる赤くなっている。
……これは爆発寸前だ。
「……ってやる……」
「え?なんて?」
「やってやるわよ!私を馬鹿にさせたことを後悔させてやるわ!」
アリーナの挑発が上手くいき、島崎さんは勝負に応じた。
「……やったねアリーナ!挑発が上手くいったよ!」
アリーナの耳元で囁くと、
「え?私、挑発したいと思ってさっきのは言ってないわよ?あの胸にムカついたから悪口言ってやったのよ」
「……そっそっか……」
真顔で言うあたりそうなんだろう。
しかし結果はどうあれ上手く土俵に引きずり込めた。
「……それじゃあ勝負の内容を……」
「待ちなさい!内容よりも先に決めたいことがあるの!」
「なんだ?」
島崎さんは透の説明を途中で止めた。
「アンタ達のカード枚数は何?」
「約70枚だが?」
「そうよね?でも私たちは約90枚……それって割に合わないわよね?」
なるほど他にも何かつけろって言いたいのか。
「ふふふ……転生したらすぐにチート能力をもらってウハウハな生活が出来るなろう系の物語みたいに簡単にはいかないのよ!」
いやそこまで簡単とは思ってなかったけど。
「……そうか、それじゃあお前達が勝ったらカードと歩から貰ったこの大地のプロマイドをやろう」
「心の底から要らないわね」
「ちょっと!? なんで透が持ってるの!?」
「歩から流れてきたからだが?」
「歩、勝手に流通させるな!ちゃんと印税貰うからな」
「ボクと大地で売上、3対7でどう?」
「許そう!」
「いや許していいのかよ」
「……真下、一応大地のやつ、私も貰っていい……?」
「一枚千円だけど?」
「……手堅い出費ね……」
アリーナと歩がなんだかコソコソやっている。何やってるんだろあれ?
「ええい……プロマイドがダメなら大地を24時間なにしてもいい権利をやろう!」
「おぉぉい!?なんか賭けの対象高くなってないか!?しかもこんな賭け認められるわけ……」
「ゴクリ……そっそちらが良いなら私はそれでも良いぞ?」
賭け通っちゃったよ!
「待ちなさい!その賭け私も乗るわ!」
ここでアリーナも参戦?
「いや、アリーナは味方だからね?ちょっと黙ってようか」
みんな賭ケグルイすぎて感覚が馬鹿になってるみたいだ。
「ってやっぱり僕の24時間が生贄は嫌なんだけど!」
「ふんっ……そんなに怖いか?私ならこの胸を24時間生贄にしても構わんが?」
「よっしゃこいやぁぁぁ!勝負でもなんでもやってやる!」
「大地、お前の24時間を賭けに入れていいのか?」
「何言ってるんだい?透、24時間なんて少ない時間、僕は気にしないよ?人生は何時間あると思うんだい?」
「お前のその器の大きさには涙が出るぞ」
やってやるぞ、西野大地!お前ならできる。
カード……おっぱいのために何としても勝負に勝ってやる!
「柳瀬……なんだか大地の考えてることが少し分かってきたんだけど殴ってきていいかしら」
「……お前達もとうとう共感出来るぐらいまで仲良くなったのか、俺は嬉しいぞ」
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